総合診療内科とは 総合診療内科とは
総合診療科は主体となる内科診療以外に小児科、外科なども含めた全てのライフステージにおけるケアを行いますが、私たちの総合診療内科では総合診療の中で内科的な部分の診療を行なっています。内科診療での様々な疾患に対する治療、患者さん・ご家族の生活なども考え、総合的な診療を行います。循環器、消化器、また外科などの専門医療が必要な場合には各専門医と適切に連携して問題を解決します。
総合診療内科で内科全般に関する診療を行いますが、多い疾患としては体のあらゆる部分に発生する感染症、複数の疾患を有することが多い高齢者診療が挙げられます。また、所属している医師それぞれの得意分野に関連した認知症診療、感染症診療、漢方診療、高齢者診療を中心とした診療を行なっています。
診療している主な疾患
認知症:アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、血管性認知症など
感染症:肺炎、腎盂腎炎、咽頭炎・扁桃腺炎、インフルエンザ、感染性腸炎、胆嚢炎、髄膜炎、感染性心内膜炎、蜂窩織炎など
漢方診療:特に特定の疾患はありません。体全体を整えるという考え方で症状の改善、疾患の治癒を考えます。
高齢者診療:高齢者に起きる疾患全般。認知症、高血圧など
臓器横断的診療
総合診療として特定の臓器別ではなく、患者さんの全身を診てトータルケアを行うことを考えています。高齢者の方では複数の疾患に罹患しておられる方も多くなりますので、複数の疾患をそれぞれ別々に診療するのではなく、一人の患者さんの問題として診断、治療することを心がけています。
認知症への取り組み 認知症への取り組み
当院は東京都の指定を受け、2015年9月1日より認知症疾患医療センターを開設いたしました。急速に進んでいく高齢化社会の中で、認知症を有する高齢者数も増加の一途をたどっており、認知症の方を地域で支えていく基盤を形成することが重要な課題となっています。
総合診療内科は認知症疾患医療センターと業務を兼務している医師が2名在籍しており、2名ともに日本認知症学会の専門医・指導医の資格を有しています。
外来ではメモリークリニックを担当しており、認知症の診断及び治療に関して、ご本人やご家族の皆様にも分かりやすく丁寧に説明することを心がけております。また、ご家族の皆様や介護関係者の皆様には、介護に関するアドバイスも可能なように時間をとっております。
また、認知症を有している皆様の入院に関しても積極的に受け入れております。オープンベッドを利用した認知症の診断や治療内容の再考、行動心理症状への対応などを行っております。かかりつけ医の先生方や介護関係者の皆様と情報を共有する時間を持ちながら、ご自宅に帰ったあとも安心して生活ができるように心がけております。
感染症診療 感染症診療
感染症は肺炎や腎盂腎炎のように特定の臓器に感染を起こすものの他にマラリアのように発熱が見られるのみで、特定の臓器に限局しない臓器横断的な側面があります。また、国際化が進む中、これまでは日本ではほとんど診療する機会がなかった感染症が国境を越え、日本国内で流行するといった状況も見られるようになりました。更に日本が国をあげてAMR: Antimicrobial Resistance(薬剤耐性)の対策も急務です。このような感染症を取り巻く複雑な社会情勢の中、総合診療・感染症内科では感染症診療に特化したトレーニングを積んだ医師を中心に診療を行っております。発熱が続く、帰国後に体調が悪いなど、感染症が心配な場合は遠慮なく、当科の外来を受診してください。
不明熱とは
原因がわからない発熱が続き、調べても診断がついていないものを不明熱と言います。原因には感染症、リウマチなどの自己免疫疾患、がんを含む様々な病気が考えられますが、その中には診断が難しい、めずらしい病気が隠れていることもあります。当科ではこれまでに多くの不明熱の患者さんの病気を明らかにし、治療を行なってきました。まずは外来で問診、診察、検査を行い、必要に応じて入院での詳しい検査を行っていきます。診断がつけば、院内他科とも連携して治療を行います。原因不明の発熱が続いている方や、発熱で何科を受診すれば良いかわからないという方は当科をご受診ください。近隣の医療機関の先生方も、発熱でお困りの患者さんや、原因不明の炎症所見を認める患者さんがいらっしゃいましたら遠慮なく当科までご紹介下さい。
漢方外来 漢方外来
漢方は、西洋医学とは異なる仕組みを利用し体調を整えます。その効果は特に近年見直され、様々な病気に対して活用されるようになっています。西洋医学とは異なる視点で体調を調整してみたいとき、または今の治療に漢方を追加することで体調を整えてみたいと考えたときは、ぜひお気軽に相談してください。