白内障について 白内障について
白内障とは
眼球はカメラと同じ構造をしています。レンズにあたる水晶体が濁ることを白内障といい、加齢や外傷などにともなって発症します。視力低下、かすみめ、まぶしい、物が二重に見えるなどの症状があらわれます。
白内障の治療
白内障は、基本的に加齢により起きる現象なので、どんなに進んでも手遅れになることはほとんどありません。ですから、あわてて治療する必要はありません。しかし、視力低下やまぶしさなどの症状が強い場合は、手術治療が必要になります。
※白内障の手術(超音波水晶体乳化吸引術+眼内レンズ挿入術)
※当院では遠近両用の眼内レンズ(多焦点レンズ)の取り扱いはありません。
超音波で濁った水晶体を破砕、吸引します。その後、眼内レンズを挿入します。通常、手術は局所麻酔でおこないます。
当院では日帰り手術、入院手術どちらも選ぶこともできます(診察の際にご相談いたします)。 また、糖尿病や心臓・腎臓の病気などをお持ちの方は、基本的に入院手術をおすすめしておりますが、この場合は糖尿病内科や腎臓内科など、他科としっかり連携のうえ安全な手術を受けていただいております。
糖尿病網膜症 糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は糖尿病の三大合併症の一つで、日本での失明原因の上位を占める重篤な病気です。糖尿病によって網膜が障害される場合、大きく分けて次の二つのパターンがあります。
増殖糖尿病網膜症
糖尿病により、網膜の毛細血管が閉塞します。このため、網膜の周辺部に酸素不足が生じ、これを補うために異常な病的血管(新生血管)が網膜に生えてきます。この血管が破裂し出血を起こしたり(硝子体出血)、膜状になった新生血管(増殖膜)が網膜剥離をおこして、高度の視力障害に至ります。
糖尿病黄斑浮腫
糖尿病により、網膜の血管がもろくなります。このため、血管から血液中の水分や脂肪が漏れ出し、黄斑部(網膜の中心部分)に溜まります。このような黄斑部の網膜がむくんだ状態を黄斑浮腫といいます。視野は比較的障害されませんが、見ようと思ったところが見えないといった症状があらわれます。
正常網膜のOCT写真
糖尿病黄斑浮腫のOCT写真
糖尿病網膜症の治療
増殖糖尿病網膜症では、初期の段階では見えにくいなどの自覚症状がないことが多いですが、病気の進行を抑えるためには、無症状の段階でも治療を必要とすることがほとんどです。よって、症状がなくても、定期的な眼底検査をおこない、適切な時期に適切な治療をおこなうことがとても重要です。
網膜の血管閉塞が進行し、網膜に新生血管(病的異常血管)が発生してしまった場合は、まず外来でのレーザー治療をおこないます。
レーザー治療
レーザー治療は日帰りでおこないます。目薬による麻酔で、網膜の状態に応じて、片目について1~2週の間隔で1~4回のレーザー治療をおこないます。血液循環の悪くなった網膜にレーザー光線を照射し、網膜にやけどをつくって網膜を間引きます。網膜の全体量を減らすことで、酸素不足を解消し増殖性変化を抑えることを目的とします。
増殖糖尿病網膜症の手術治療(硝子体手術)
レーザー治療をおこなっても網膜症の進行が抑えられない場合や硝子体出血による著しい視力障害が長引く場合などは、入院手術治療(硝子体手術)となります。手術は局所麻酔で、眼内の出血や増殖膜の除去をおこないます。手術時間は1~2時間程度で、入院期間は約1週間です。網膜の状況によっては(網膜剥離を合併していたときなど)、術後うつ伏せの姿勢をしていただくこともあります。
糖尿病黄斑浮腫の治療
網膜のむくみ(浮腫)の範囲が小さい場合は、漏れている血管にレーザー光線をあてて治療します。むくみの範囲が広い場合や、レーザー治療の効果が得られない場合は、抗VEGF薬の硝子体注射やステロイド剤の結膜下注射といった治療をおこないます。しかし多くの場合で数ヵ月後には浮腫の再発がみられ、複数回の治療を要する場合があります。
緑内障 緑内障
緑内障とは
目の中は、房水という水で満たされていますが、この房水による眼球内圧を眼圧といいます。何らかの原因でこの眼圧が上昇すると、視神経が障害され、視野がまだらになる、視野が狭くなるといった症状があらわれます。これを緑内障といいます。40歳以上の日本人では20人に1人の割合で緑内障の患者がいるとされており、糖尿病網膜症とならび日本人の失明原因の上位をしめる疾患です。
緑内障では、「神経の障害」という病気の性格上、一度悪くなってしまった視野は元には戻せません。「視野を回復させる」のではなく、「悪くなってしまった視野を維持する」ことが治療の方針となります。定期的な眼圧のチェック、視野検査をおこないながら治療します。点眼治療、レーザー光線の治療、手術治療などがあります。
点眼治療
毎日、決まった時間に目薬をさしていただきます。薬の種類が増えたり、さす回数が増えると、患者様にとって非常に大変ですが、根気よく続けていくことが重要です。
レーザー治療
緑内障のタイプによっては、レーザー治療をおこなうこともあります。
手術治療
点眼治療やレーザー治療では進行を抑える効果が足りない、と判断した場合は手術治療をおこないます。その場合は他院での専門医の治療をご紹介させていただきます。
加齢黄斑変性 加齢黄斑変性
現在、加齢黄斑変性の治療には、眼内注射治療(抗VEGF薬硝子体注射)とレーザー治療(光線力学療法、PDT)がおこなわれています。当院では、抗VEGF薬硝子体注射治療を行っており、レーザー治療はが必要な場合は大学病院など他施設をご紹介させていただきます。
抗VEGF薬硝子体注射
抗VEGF阻害剤という異常な血管の増殖を抑える薬剤を、眼球内に注射する治療法です。日帰りの処置で、点眼麻酔でおこないます。処置時間は10分程度です。通常、1ヶ月~1ヶ月半ごとに3回の注射をおこないます。その後は病気の状態に応じて、追加注射をおこないます。病気のタイプ、状態によって主に2種類の薬剤を使い分けています。
光線力学療法(PDT)
黄斑部の病的な血管にとりこまれる薬剤を注射し、薬剤のとりこまれた新生血管にレーザー光線をあてて新生血管を消退させる治療法です。当院では、この治療法の設備がないため、必要な場合は大学病院など、他院をご紹介させていただきます。