血液腫瘍 血液腫瘍
白血病・骨髄異形成症候群・骨髄増殖性疾患・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの治療を行ない、難治性とされる多発性骨髄腫でも好成績をおさめています。
当科の診療体制
当科は血液悪性疾患を中心に診療しています。近隣に大学病院や大きな病院があるという当院の地理的な要因から、比較的高齢者に発症の多い骨髄異形成症候群や多発性骨髄腫といった疾患、すなわち長期かつ濃厚なケアを必要とする疾患が多いです。一方で、14床の無菌室(完全無菌室2床、準無菌室12床)を使用し造血幹細胞移植も行っており、オールラウンドに柔軟に血液疾患に対応できる診療体制をとっております。外来診療は平日午前と午後に当科外来枠を設けており、血液疾患にありがちな緊急対応を円滑にとれるようにしております。
診療件数・移植件数はこちらでご紹介しております。
新しい血液腫瘍の治療
血液の疾患は基礎医学と強くリンクする部分があるため、分子生物学、免疫学の知識が必要となってきますが、当科の医師団は幅広くいろいろな分野とリンクさせる能力があります。また血液内科では、新薬の登場や診療の発展などの進歩が他の領域よりも先行しています。
当科の医師らはエビデンスに基づき患者さんの個性に応じてそれをうまく利用しながらもっとも良い治療を選択しています。
このように、目の前の患者さんの疾患のメカニズムを学び、その疾患の治療について勉強していきます。
済生会中央病院には多くの治療選択肢があり、各患者さんに適切な治療を提供する準備ができます。
正確な診断と標的治療計画があれば、患者さんは健康を回復する可能性が高まると確信しています。
造血幹細胞移植 造血幹細胞移植
当院では1995年より無菌室を稼働し自家骨髄移植、自家末梢血幹細胞移植、また同種骨髄移植、同種末梢血幹細胞移植、臍帯血移植を積極的に行っています。年間の移植症例数の平均数は自家移植が3例、同種造血幹細胞移植が8例です。2018年には骨髄移植推進財団より非血縁者間骨髄採取施設として認定され、骨髄移植推進財団(骨髄バンク)を介した移植の実施を導入しました。2021年、造血免疫細胞療法センターを設立し、移植前の患者さんから移植後長期フォローアップの方まで幅広く対応しています。
詳しい情報はこちら
貧血 貧血
再生不良性貧血、溶血性疾患、赤芽球癆などの診療を行なっています。 貧血を契機に消化器疾患などが診断されることも稀ではなく、他科と連携して迅速に診断を進めます。貧血症状で悩まれている方は少なくないでしょう。
がんの疑いも
血液のがんも貧血の原因と考えられますが、この分野の治療法は、信じられないスピードで進歩しています。例えば、この10年で米国食品医薬品局(FDA)が認可した多発性骨髄腫の新しい治療計画は、10種以上に上ります。
貧血の原因がわからない場合は、血液の専門医師に相談することをお勧めします。
出血性疾患 出血性疾患
免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症の治療を行なっています。
当科での取り組み 当科での取り組み
臨床研究
当科では、常に医療の質向上と、診断技術・見識の向上を目指し、臨床研究にも力を注いでいます。
この取り組みには、疾患の診断、治療および予防の方法を改善する可能性のある臨床研究の実施が含まれます。最近では、(公財)ライフ・エクステンション研究所の2018年度研究助成金(永寿基金)に國枝尚子医師が採択され、意義不明単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)における変異遺伝子解析を行っています。また、慶應義塾大学薬学部と提携し、基礎研究データーを基に共同で臨床研究を行っています。2018年にはハイリスク染色体を有する骨髄腫細胞にプログラム細胞死を誘導する新規化合物GTN024 を見出し、論文発表しました。
現在実施されている臨床研究の詳細については、こちらをご覧ください。