当院の脳神経外科について 当院の脳神経外科について
当院の脳神経外科は、日本脳神経外科学会の専門医研修プログラム認定施設、日本脳卒中学会の脳卒中急性期医療機関に指定されており、常勤医3名(脳神経外科専門医3名)で日々の診療を行っております。
頭部外傷による頭痛、めまい、手足のしびれや麻痺など症状のある方の診察・検査・治療や、頭の病気のうち、 特に脳出血、くも膜下出血、脳動脈瘤、脳腫瘍、水頭症、先天異常などの手術を必要とする病気を担当しています。また、神経内科と協力して脳卒中センターを開設し、脳卒中の専門的治療に取り組んでいます。頭部外傷の患者さんは救急診療科と協力して救命救急センターで治療しています。
脳卒中・脳血管障害 脳卒中・脳血管障害
当科で扱う疾患には、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血などの脳卒中・脳血管障害があります。平成18年6月に開設された脳卒中センターにおいて、手術を含めた急性期治療から術後のリハビリまで行っています。
くも膜下出血は原因である脳動脈瘤の再破裂を防ぐために緊急で手術を行う必要があり、開頭クリッピングや脳血管内手術(コイル塞栓)を行っています。脳梗塞は発症4.5時間以内の急性期治療としてt-PAを用いた血栓溶解療法を脳卒中専門医による当直体制のもと実施しています。
脳出血は血腫の部位や大きさによって血腫除去の手術を行うかどうかの治療方針が異なります。治療方針については神経内科とのカンファレンスによって決めています。手術は開頭血腫除去、内視鏡下血腫除去、CT定位血腫吸引を行っています。平成24年12月に開設された救命救急センターには、重症のくも膜下出血や脳出血の患者さんが入院します。救急診療科と協力して24時間、365日休むことなく治療に専念しています。
脳卒中ではありませんが、脳ドックなどでMRI検査を受けた結果、偶然に見つかった未破裂脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳血管腫などについても診療しています。脳動脈瘤については、くも膜下出血を引き起こす原因であるため、動脈瘤の大きさが5mm以上の場合や動脈瘤が不整形である場合は、厳重な血圧管理や喫煙の方は禁煙をしていただいた上で、破裂を防ぐために開頭クリッピング術やコイル塞栓術を行っております。内頸動脈狭窄の患者さんにはフォーサイトやSEPによる各種術中モニターや手術用顕微鏡、内シャントシステムを用いて安全に頸動脈内膜剥離術を行っています。
脳腫瘍 脳腫瘍
脳腫瘍については、原発性脳腫瘍や転移性脳腫瘍などで手術が必要な患者さんの治療を行っています。開頭腫瘍摘出術の他に、内視鏡下摘出術も行っています。術中の迅速病理検査では、摘出腫瘍の病理診断や断端部診断など行って成績を上げています。神経膠腫と呼ばれる悪性腫瘍の場合には、腫瘍摘出腔にギリアデルを添付し、術後に放射線治療やテモダールやアバスチンなどの化学療法を併用しています。放射線治療は通常のリニアックの他に、強度変調放射線治療(IMRT)を用いて集中的に腫瘍部分に照射しています。また転移性脳腫瘍は、連携施設でガンマナイフ治療も可能です。
良性腫瘍である髄膜腫は小さく症状がない場合には経過観察しますが、3-4cm以上の大きさで頭痛や手足のしびれや麻痺、けいれんなど症状を認めた症例には手術が必要となります。腫瘍摘出時の出血を減らすために、術前に腫瘍の栄養血管を塞栓した後、安全に摘出するよう心がけています。下垂体腫瘍の手術は、耳鼻科と協力して経鼻的に内視鏡を用いて摘出術を行っています。ホルモン産生腫瘍については内分泌内科で術前検査を行っております。悪性リンパ腫は病理診断のためにCT定位腫瘍生検術を行なった後、血液内科で抗がん剤による治療を行っています。
頭部外傷 頭部外傷
交通事故や転倒・転落などによる頭部外傷については、通常の外来や救急外来を受診していただき、頭部CT検査を行います。急性硬膜外血腫や急性硬膜下血腫、外傷性脳出血で血腫が大きく脳を圧迫している場合には手術が必要です。脳挫傷や外傷性くも膜下出血の患者さんは止血剤や脳圧降下剤の点滴により保存的治療を行います。高齢者では、軽い頭部打撲でも1-2か月後に記憶力低下や歩行障害などが現れ、慢性硬膜下血腫と診断された場合、穿頭血腫ドレナージ術を行っています。脳神経外科では、当直日以外にも常にオンコール体制で対応しています。
水頭症 水頭症
高齢者で外傷とは無関係に記憶力低下、歩行障害、尿失禁が現れる正常圧水頭症に対しては術後に設定圧の変更可能な圧可変式システムを用いたV-P(脳室-腹腔)シャント、L-P(腰椎-腹腔)シャント手術を行っております。その他、脳膿瘍、髄膜炎などさまざまな脳神経疾患を診療しています。
検査・手術設備 検査・手術設備
検査設備
- 3.0テスラMRI(1台)
- 1.5テスラMRI(2台)
- ヘリカルCT(3台)
- 脳血管撮影装置(シーメンス)
- 核医学検査(SPECT)
- 頸動脈エコー
手術設備
- 高性能手術用顕微鏡(カールツァイス)
- 手術用ナビゲーション装置
(メドトロニック) - 神経内視鏡装置(カールストルツ)
- 術中モニター(MEP,SEP)
- CT定位脳手術装置(駒井式)
- 超音波吸引器
クリニカルパスのご紹介 クリニカルパスのご紹介
当院は一部の疾患、手術、検査でクリニカルパスを使用しています。
クリニカルパスとは、医療スタッフと患者さんが治療計画の情報を共有するため、患者さんのスケジュールを時間軸に沿ってまとめたものです。
主な治療について、公開していますのでご参照ください。
※患者さんの治療経過の状況によって、スケジュールは変更する場合があります。