vNOTES(経腟的腹腔鏡手術) vNOTES(経腟的腹腔鏡手術)
膣の奥に切開を入れて、膣から腹腔鏡や器具を挿入して行う手術です。そのためお腹に傷はつけずに行うことのできる手術となります。術後の痛みも少なく、入院期間の短縮、早期の社会復帰が可能になります。また保険適用の手術です。ただ、大きい腫瘍や癒着症例、性交未経験症例には行えないなど症例の適応は限られます。vNOTESで施行困難な場合には従来の腹腔鏡手術に変更となる場合もあります。
適応症例は子宮筋腫、卵巣腫瘍、骨盤臓器脱など良性疾患となります。vNOTESで子宮附属器切除術、卵巣嚢腫切除術、子宮全摘術、膣断端挙上術、筋腫核出術(かなり症例が限られます)を行うことが出来ます。vNOTES適応症例かどうか外来にて判断させていただきます。
当科では、vNOTESの導入によりさらなる低侵襲手術を目指してまいります。
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アプライドメディカル社より転載
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受診のご案内
月曜日 AM 火曜日 AM 水曜日 AM
※予約優先になりますが、予約外でも受診可能です。
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03-3451-8211(代表)
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腹腔鏡下手術 腹腔鏡下手術
お腹の中に腹腔鏡というカメラ(内視鏡)と細長い鉗子を挿入し、カメラに写った画像を見ながら手術を行う手術方法です。カメラや鉗子を入れる小さな傷がお腹に数箇所つきますが、大きな傷は基本的にはつきません。当科では、子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮内膜症などの疾患は、ほぼ全症例に対し腹腔鏡手術を行っております。入院日数は1週間程度です。
子宮筋腫
子宮筋腫に対しましては、筋腫のみを摘出して子宮を温存する手術(腹腔鏡下子宮筋腫核出術、腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術)と筋腫を子宮ごと摘出する手術(腹腔鏡下子宮全摘術)があります。卵巣嚢腫についても、卵巣嚢腫のみを摘出して患側(病気になった側)の卵巣のよい部分を温存する手術(卵巣嚢腫摘出術)と、卵巣・卵管ごと摘出する手術(付属器切除術)があります。
子宮内膜症
子宮内膜症は子宮の内腔を覆っている子宮内膜と類似した組織が、身体の別の場所に生着して増殖する疾患です。一般に月経痛がつよい女性に多いとされており、重症化すると月経時以外でも腹痛を生じるようになったり、将来的には不妊症の原因にもなると言われています。この疾患はおもに子宮や卵巣の周囲やダグラス窩という腹膜の底に癒着病変をつくることが多いとされています。子宮の背側は開腹手術では非常に見えづらい部位ですが、腹腔鏡下では子宮の背側をカメラで大きく描出でき、非常に細かい部分も拡大してみることができます。子宮内膜症はまさに腹腔鏡手術のメリットを活かした治療を行うことができる疾患です。
骨盤臓器脱に対する腹腔鏡下手術については、後述の骨盤臓器脱手術についての項を御覧ください。
初期がんに対しても腹腔鏡下手術を取り入れております。後述の悪性腫瘍に対する手術についての項をご覧ください。
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子宮鏡下手術 子宮鏡下手術
子宮鏡手術は膣から内視鏡と器械を子宮の中に挿入して行う手術です。そのためお腹にきずはつきません。手術は保険診療となります。
適応となる病気は子宮内膜ポリープや子宮筋腫(子宮の部屋の中へせり出しているもの:粘膜下筋腫)となります。子宮鏡手術が可能かどうか、外来で子宮鏡検査やMRI検査をして判断します。
当院では全身麻酔下での手術となります。入院期間は子宮内膜ポリープでは一泊二日、粘膜下筋腫は二泊三日となります。※状況に応じて延長することもあります。
器械は従来の電極タイプに加えて、シェーバー(病変を削り取り吸引するシステム)を導入しました。シェーバーに関しては従来のものより器械が細いため手術前の処置が必要なく、子宮内膜への影響もより少ないとされ、不妊治療中の方や内診痛が強い方にも使用しやすい器械となっております。どちらのタイプを使用するかについても外来にて判断します。当科ではシェーバーの導入によりさらに子宮鏡手術の件数が増えております。
受診のご案内
月曜日から金曜日 AM
※火曜日AMは子宮鏡技術認定医による診察となります。
※火曜日、木曜日PMに子宮鏡検査を行なっております。
火曜日AM初診を受診の方のみ当日子宮鏡検査が可能です。(月経時は検査ができません)
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ロボット支援下手術 ロボット支援下手術
ロボット支援下手術では手術アームの操作性の良さと高精細なフルハイビジョン画像を用いることで、より繊細な手術を可能にします。術者はコックピットから手術アームを操作し手術を行います。お腹に10mmの穴を複数開けて、トロッカーという筒を挿入し、そのトロッカーから内視鏡カメラ、鉗子を挿入し、二酸化炭素のガスを入れてお腹を膨らませて手術を行います。腹腔鏡下手術同様、低侵襲な手術であり、ロボット支援下にすることによりさらなる術中出血の減少、術後疼痛の減少などが期待できます。
ロボット支援下手術の適応となるのは、子宮筋腫、子宮腺筋症、骨盤臓器脱などです。ロボット支援下手術において保険適応となるのは子宮全摘出術、仙骨腟固定術となります。外来にてロボット支援下手術の適応となるかどうかを含め拝見いたします。
株式会社メディカロイドより転載
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月曜日 AM 水曜日 AM 木曜日 AM
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骨盤臓器脱手術 骨盤臓器脱手術
骨盤臓器脱とは、女性の骨盤底にある臓器、子宮、膀胱、直腸などが下垂して腟外(身体の外)へ脱出する疾患です。それぞれ子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤、腟断端脱などという疾患の総称です。骨盤臓器脱に対する治療法は手術治療が中心です。手術方法は、実にさまざまありますが、ここ10年ではメッシュという人工のシートを使う手術(経腟メッシュ挿入術(TVM)や腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC))が話題となってきました。一方、メッシュを使用しない手術(NTR:腟式子宮全摘、腟壁形成、膣閉鎖、仙棘靭帯固定など)も患者さんの状態によっては有用です。当科では、これらのさまざまな手術方法から、患者さんの年齢やライフスタイルにあわせて手術方法を選択して実施しています。
悪性腫瘍に対する治療 悪性腫瘍に対する治療
婦人科の悪性腫瘍とは
婦人科の悪性腫瘍として主に子宮がんと卵巣がんがあります。
子宮がんは子宮頚部に発生する子宮頚がんと体部に発生する子宮体がん(内膜がんとも言います)に分類されます。子宮頚がんのほとんどはヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染が原因で発症しますが、子宮体がんは女性ホルモンの分泌が長期間続くことが原因とされており、肥満や糖尿病、出産が少ない女性に多いことが知られています。最近では子宮体がんが10年の間に2倍以上に増加しています。
その他子宮体部に発生する悪性腫瘍には子宮肉腫があり、子宮体部悪性腫瘍全体の4~9%、子宮肉腫の中で最も多い平滑筋肉腫でも、子宮体部の悪性腫瘍の1~2%とまれな病気です。子宮肉腫は子宮の筋肉や間質(臓器のすぐ下にある結合組織)などの組織から発生する悪性腫瘍で、子宮の内膜から発生する子宮体がんとは異なり、MRI等の画像検査で良性の子宮筋腫との区別がつきにくく、手術で診断されます。
卵巣は腹腔内に存在するため卵巣腫瘍(良性、境界悪性、悪性)が発生しても自覚症状が出にくく、卵巣がんは早期発見が難しいとされています。卵巣がんは卵巣腫瘍の約10%を占めており、超音波検査、CT、MRI検査などの画像検査を行い評価しますが、手術によって組織の種類や広がりを診断します。卵巣がんは検診が難しいため、自覚症状が出る頃には、進行した状態で見つかってしまうことが多い傾向があります。その一方で、進行したがんに対しては化学療法および新しい分子標的薬や免疫療法の開発が進んでおり、治療効果の向上が期待されています。
卵巣がんの発生には複数の要因が関与していますが、そのうち1割程度は遺伝的な要因であるとされています。卵巣がん(卵管がん、腹膜がん)の10〜15%に遺伝性の要因で発症する「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」があります。これはBRCA1やBRCA2という遺伝子の変化が原因であり、乳がんや膵臓がんとも関連しています。
当院の治療体制について
当院では他科との連携体制が充実しており、迅速な検査、診断、治療が可能となっております。また他の診療科と共に診療することで合併症がある方への対応も可能となっております。さらに患者様の症状に応じて緩和ケアチームやソーシャルワーカーとも協力して治療を行っております。
子宮頚がんの手術は低侵襲な手法から拡大手術まで、進行期に応じて適切な術式で対応しています。子宮頚がんの前がん病変(子宮頚部異形成)に対しては日帰り手術の子宮頚部蒸散術(子宮頚部を焼灼)や短期入院で子宮頸部円錐切除術(子宮頚部の一部を切除)を行っています。さらに術後の追加治療や進行がんの放射線治療は放射線治療科と連携して行っています。
子宮体がん、子宮肉腫の手術も低侵襲な手法から拡大手術まで、進行期に応じて適切な術式で対応しています。子宮体がんや子宮肉腫では術後の治療選択の判断に有用となる、摘出した検体の遺伝子検査なども行なっています。組織型や遺伝子検査の結果、進行期に応じて抗がん剤を用いる化学療法や放射線治療、免疫療法やホルモン療法などの治療を選択しています。
卵巣がんの場合には遺伝性の要因で発症する場合もあり、当院では遺伝子検査を行うことが可能です。婦人腫瘍専門医と臨床遺伝専門医、腫瘍内科医が連携を取り検査、治療を行っています。 まだ卵巣がん(卵管がん)を発症していない遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の方には遺伝カウンセリングを行ない、予防的卵巣卵管切除(腹腔鏡含む)も行っています。
受診のご案内
月曜日 AM PM 火曜日から金曜日 AM
女性遺伝性腫瘍相談外来 月曜日PM
※月曜日AM PM、第二水曜日AMは特に婦人科悪性腫瘍を専門とする医師の外来となります
※いずれの外来も予約優先ですが予約がなくても受診可能です
ご予約はこちら
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プレコンセプションケア外来 プレコンセプションケア外来
「プレコンセプションケア」を知っていますか?
プレ(per)は「~以前の」、コンセプション(comception)は「受精・懐妊」で、プレコンセプションケアは「妊娠前の健康管理」という意味。
若い男女が将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うこと。次世代を担う子どもの健康にもつながるとして、近年注目されているヘルスケアです。早い段階から正しい知識を得て健康的な生活を送ることで、将来の健やかな妊娠や出産につながり、未来の子どもの健康の可能性を広げます。
プレコンセプションケア外来の内容
⚫︎10〜20代向け(保護者同伴可)
・性教育: 性に関する疑問、生理に関して、性犯罪から自分を守る方法など
・低用量ピルの正しい知識
・子宮頸がんワクチン: シルガード
*区の助成をご利用希望の方はお知らせください
⚫︎20〜30代向け
・ブライダルチェック:尿検査、血液検査(HBV、HCV、HIV、梅毒、麻疹風疹)、血圧、子宮頸がん検診、経腟エコー、淋菌・クラミジア検査
・性病検査:採血(HBV、HCV、HIV、梅毒、麻疹風疹), 淋菌クラミジア検査
・卵巣年齢検査: 血液検査(AMH測定)
・甲状腺ホルモン検査: 血液検査(T3, T4, TSH)
・女性ホルモン検査: 血液検査(エストロゲン, プロゲステロン, LH, FSH, プロラクチン)
その他各種オプション検査や組み合わせての検査も可能ですので受診時に担当医にご相談ください。
受診のご案内
木曜PM
※完全予約制
※1回 30分 自費5,500円(税込)(検査費用別)
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子宮頸がんワクチン接種 子宮頸がんワクチン接種
子宮頸がんは子宮の入口にできるがんのことで、主にヒトパピローマウイルスというウイルス感染が原因です。子宮頸がんの初期にはほとんど症状が無いため、自覚症状が現れることなく進行するという特徴があり、日本では年間約10,000人の女性がかかり約3,000人が死亡しています。しかし子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)でヒトパピローマウイルスの感染を予防することが出来ます。また、ヒトパピローマウイルス感染は男性の咽頭がんや陰茎がんなどの原因にもなり得るため、HPVワクチンは男性のこれらのがんの予防にもなります。
受診のご案内
【自費での接種を希望される方】
月曜日 14時~
<費用>
シルガード 39,600円(税込)/回 (診察料+ワクチン代)
ガーダシル 19,800円(税込)/回 (診察料+ワクチン代)
※ワクチンは必ず3回接種してください。
※完全予約制
※ご希望の方は産婦人科外来までご連絡ください。詳細についてご説明します。
※接種に関する相談のみの場合は、3,300円(税込)の費用(自費)がかかります。
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【接種券をお持ちの方】
小学校6年生~高校1年相当の女性の方は、公費による接種を小児科で行っております。
小児科:各種ワクチン接種のご案内はこちら
産科 産科
当院の産科では妊娠中のケアから分娩、そして産後のケアまで患者様に寄り添ったマタニティーライフをサポートしてまいります。産後ケア入院、日帰り産後ケアも行なっております。