血管外科

血管外科とは 血管外科とは

血管外科では、胸部〜腹部大動脈、内臓動脈、四肢の末梢動脈、静脈疾患、透析用シャントトラブルなど全身の血管疾患に対し、従来の人工血管置換術からバイパス手術、そしてステントグラフト内挿術や四肢のカテーテル治療まで、患者さん一人一人に合わせて最適な治療を提供します。当院の特徴は、全身にわたる血管外科疾患に対し、心臓血管外科や循環器内科、腎臓内科、救急科など、各診療科と密接に連携をとりながら最先端の医療を提供できることです。緊急疾患を含め、他院で治療に難渋していても、まずはお気軽にご相談ください。

大動脈瘤に対するステントグラフト治療 大動脈瘤に対するステントグラフト治療

2017年5月の新主棟完成に伴い、当院にはハイブリッド手術室が導入されました。当科では、胸部および腹部ステントグラフト指導医資格を合わせ持つ血管外科専門医師とともに、心臓血管外科専門医、指導医が協力してチーム治療を行っています。これにより開胸(または開腹)外科手術もカテーテル治療も両方が可能となり、どちらとも手術件数が増加しています。

 

大動脈瘤とは、ヒトの一番太い大動脈がふくらんで瘤(こぶ)を形成する病気です。動脈硬化が原因の事が多く、通常無症状で、気が付かない内にどんどん大きくなり、一旦破裂してしまうと、突然激痛が生じ、死に至ることが多い恐ろしい病気です。

 

一般的には胸部では6cm、腹部では5cmを超えると、破裂の予防のために大動脈瘤を切除して人工血管に取り換える手術が行われてきましたが、日本でも腹部大動脈は2008年から、胸部大動脈も2009年からステントグラフトを用いた治療が可能となりました。

ステントグラフト治療とは、お腹や胸を切らずにカテーテルを用いて血管の内側から大動脈瘤を治療するもので、創が小さく患者さんの負担が大きく減りました。術式にもよりますが、一般的に胸部大動脈瘤も腹部大動脈瘤も、術後の滞在期間は4~5日程度となっております。残念ながら大動脈瘤の形や部位などの問題で、全ての患者さんに適応となるわけではありません。当科では患者さんの状態と病変部の形や部位をしっかりと把握した上で、最適な治療を提供しております。

また当科は日本ステントグラフト実施基準管理委員会が定めた胸部大動脈瘤および腹部大動脈瘤に対する指導医の資格を両方取得して常勤医がおり、通常ではステントグラフトが困難な症例に対しても積極的にステントグラフトを実施しております。他院でステントグラフトが困難と言われたり、高齢で手術が不可能と言われた場合でも、可能となることもありますので、一旦ご相談いただければと思います。

閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル血管内治療  閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル血管内治療 

閉塞性動脈硬化症とは動脈硬化のため、動脈がつまったり、狭くなったりして症状が出現する病気です。危険因子としては高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、透析などがあげられます。症状は病変部位によって異なりますが、 下肢に生じることが最も多く、歩くとふくらはぎのあたりが痛くなり、しばらく休むとまた歩けるようになる間欠性跛行が出現します。

症状が進行してしまうと、じっとしていても痛くなり(安静時痛)、さらに進行すると足の壊疽などが出現します。

今までは外科的バイパス術が治療の中心でしたが、最近はカテーテルによる血管内治療が増えています。カテーテルによる血管内治療は局所麻酔下に行い、創も付かないため、患者さんに優しい治療として増えてきておりますが、こちらも残念ながら現段階では全ての患者さんに適応することはできません。
無理にこの治療を行うことにより様々なトラブルが生じることが報告されており、場合によっては不必要な下肢の切断に至ることもあります。これらの不必要なトラブルを避けるためには、外科的バイパス手術と血管内治療それぞれの長所と短所をよく理解し、患者さんの状態と病変部の解剖および性状をしっかりと把握したうえで、治療のプランを立てることが必要です。

当科では、外科的バイパス術と血管内治療の両方を行っているため、低侵襲な血管内治療を安全に実施し、必要があれば外科的バイパス術への移行もスムーズに可能で、各々の患者さんに見合った適切な治療法を提供することができます。
さらに当科の特徴としては、循環器科とカテーテル治療を共同で行っており、閉塞性動脈硬化症の患者さんの死因の75%を占める冠動脈疾患(狭心症など)の検査・治療もカテーテル治療の際に、同時に行うことができ、より患者さんのための医療ができます。

日帰りシャントカテーテル治療(シャントPTA) 日帰りシャントカテーテル治療(シャントPTA)

血液透析の際に必要な内シャントは、場合によっては造設後も適切なタイミングで追加治療(血管拡張術:シャントPTA)をしないと長持ちしません。当科では、内シャント造設時から、将来的にシャントPTAを施行しやすい吻合の形をとっており、またシャントPTAが必要な際には、外来で、日帰りで行えるような体制を取っております。既に他院でシャントPTAを繰り返し行なっていて、毎回入院している方や、シャントをお持ちで、お困りの方がいましたら、一度ご相談下さい。

局所麻酔下の静脈瘤手術 局所麻酔下の静脈瘤手術

静脈は手足から心臓に向かって血液を戻す役割を担っておりますが、血液の流れの向きが一定になるように逆流を防止する「弁」が備わっています。これらの「弁」が壊れてしまい、逆流が生じて静脈が膨らんでしまうのが静脈瘤です。

無症状で血管だけ浮き出ていることもありますが、一般的な症状としては足がだるくて疲れやすい、むくむ、寝ているときにつる、黒っぽい色がついてかゆい、静脈炎がおきて痛い、なかなか治らない潰瘍があげられます。 下肢静脈瘤自体は生死にかかわるような悪性の病気ではありませんし、下肢の切断につながるようなこともありません。しかし徐々に進行していく慢性疾患であり、患者さんと症状を相談しながら希望に応じて治療を行っております。

保存的治療としては弾性ストッキング着用による圧迫療法がありますが、希望があれば注射による硬化療法、外科的手術として2017年5月からは、ラジオ波焼灼術を導入しました。いままで傷を付ける必要があったストリッピング手術(静脈抜去術)と違い、ほぼ痛み無く治療できますので、お困りの方がおられましたら、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。

  • 電話番号

    03-3451-8211(代表)

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