令和元年度実績

令和元年度東京都済生会中央病院病院指標 令和元年度東京都済生会中央病院病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数
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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 27 47 377 553 1,017 1,438 2,062 3,140 2,252 552
2019年4月~2020年3月に当院を退院した患者さん(※注1)の年齢を10歳刻みで集計しました。退院患者の年齢構成を調べると、その病院の特徴がある程度わかります。年齢構成では60代から80代が全体の6割を超えており、その中でも70代が最も多く全体の3割近くを占めています。また60代から80代の合計患者数は、ここ5年程では最多となっています。
当院は地域医療支援病院として、近隣病院や診療所・患者さんのかかりつけ医の先生方と円滑な連携を行い、地域の基幹病院として適切な質の高い医療を提供しています。また患者支援センター地域連携室が核となり、診療連携病院のみならず、地域における高齢者医療や在宅医療を担っている診療所やクリニック、福祉介護施設など多施設多職種との調整のもと積極的に診療依頼の受け入れに対応しています。そのほか救急部門・手術部門の強化などにも力を注いでおり、2017年5月の新主棟の竣工にて救急救命センターを拡充し、特定集中治療室(GICU)・ハイブリッド室を新たに備えた手術室等を設置しています。また分娩・産科診療の再開、2018年10月の脳卒中ケアユニット(SCU)の開設なども行っています。そして総合的・全人的医療を目指し、各診療科の医師をはじめ、えん下対策チーム・褥瘡予防対策チーム・呼吸サポートチームなどの連携による多職種の専門的観点から、患者さんの病態に応じた幅広い医療の提供とトータルケアを行っています。入院後は患者さんの状況に合わせて入退院支援室が介入し、転院や自宅へ戻るための施設の案内、在宅療養の紹介など退院支援も積極的に行っています。

※注1…DPC/PDPS(診断群分類に基づく1日ごとの支払方式)の対象となった患者さんを集計。自賠責や自費診療などDPC/PDPSの対象とならない期間がある患者さんは含まれていません。また、入院された時点の年齢で集計しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
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総合診療・感染症内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
080010XXXX0XXX 膿皮症 手術処置等1 なし 30 39.53 12.55 13.33% 68.40
01021XXXXX0XXX 認知症 手術処置等1 なし 15 16.93 17.53 13.33% 86.00
040081XX99X00X 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 20.13 20.84 33.33% 79.00
070560XX99X00X 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 27.20 15.48 6.67% 63.93
060040XX99X60X 直腸肛門(直腸・S状結腸から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等2 6あり 副傷病 なし 14 10.93 4.36 0.00% 77.00
2019年4月~2020年3月に総合診療科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科は、肺炎、尿路感染症、蜂窩織炎などの感染症、認知症、脳血管障害、腎障害など内科領域の幅広い疾患の治療を行っています。このように特定の臓器・疾患に限定せず診療を行う目的は、総合的な視点から患者さんのもつ問題点を整理、抽出し、患者さんのニーズに対応した医療を専門科と連携して提供することにあり、その具体的な取り組みの一つとして、生活困窮者支援事業に関する専用病棟を当科で担当していることが挙げられます。当院を運営する済生会は、明治天皇の「生活に困り、医療・福祉を受けられない人々にも救いの手を差しのべるように」というお言葉から創設されました。その創立以来の「済生の精神」の下に、生活困窮者に対する診療を行っています。生活困窮者の診療を担当している特性から、長期間の路上生活の中で罹患した急性膿皮症や、これまで医療機関にかかることができず、当院へ入院したことを契機として発見されたがんなどの悪性疾患の件数が多くなっています。
また、当院は認知症治療に注力しており「認知症疾患医療センター」を設置し、当科に専門医が所属して診療を行っていることから、認知症の件数が多くなっています。また、誤嚥性肺炎など高齢者特有の疾患の件数が多いことも特徴となっています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060100XX01XX0X 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし 153 2.98 2.63 0.00% 69.94
060340XX03X00X 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術処置等2 なし 副傷病 なし 111 10.13 9.79 8.11% 74.98
060102XX99XXXX 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 86 5.27 7.65 0.00% 63.44
060210XX99000X ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし 49 6.22 8.89 6.12% 64.61
060130XX99000X 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし 42 5.48 7.42 11.90% 66.60
2019年4月~2020年3月に消化器内科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では小腸・大腸の良性腫瘍やポリープの症例が多く、これらに対しては患者さんの体への負担が少ない内視鏡手術を行っています。総胆管結石、胆管炎の症例は高齢者に発症することが多く、重症化すると致命的になる可能性があるため、症状がある場合はもちろん無症状の場合でも、原則治療の対象としています。
東京都内では夜間の消化管、胆道系内視鏡治療に即対応できる医療施設が少ないため、救命センターと協力し、都内各所から毎日24時間緊急内視鏡を受け入れております。多くの救急患者を積極的に受け入れているため、急性の腹痛、消化管出血の患者さんに対するスタッフの診療経験は豊富です。常に患者さんの方を向いた診療を心がけ、消化器外科、放射線科の各専門医と連携をとり、最善の医療を提供することに努めています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040XX9910XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし 62 3.82 3.34 1.61% 70.89
040110XXXXX0XX 間質性肺炎 手術処置等2 なし 55 15.07 18.84 9.09% 75.27
040040XX99040X 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 43 6.65 9.59 0.00% 72.56
040081XX99X00X 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 35 19.11 20.84 20.00% 87.71
0400801499X002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 重症度等 A-DROP スコア2 21 12.86 15.17 9.52% 81.38
2019年4月~2020年3月に呼吸器内科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
呼吸器内科では、入院症例の上位多数は肺がんが占めており、次いで間質性肺炎、細菌やウイルスなどの感染による肺炎が上位入院症例となっています。なかでも誤嚥性肺炎の入院症例数は増加となっており、平均年齢は80代後半と高齢の方に多い傾向となっています。当科では肺がんなどの悪性疾患、喘息を含むアレルギー疾患、肺炎などの呼吸器感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性疾患など、多岐に及ぶ疾患の治療を行っています。間質性肺炎は最も正確な診断のためには全身麻酔による胸腔鏡手術での生検を要しますが、患者さんの状態によっては、手術に代わる検査として気管支鏡を用い組織を凍結させて採取するクライオバイオプシーを導入しています。肺がん治療では、手術、抗がん剤治療、放射線治療法が三本柱とされており、これまでは主に呼吸器内科・呼吸器外科・放射線治療科・病理診断科が連携し治療にあたっていましたが、脳梗塞や循環器疾患の合併症をお持ちの患者さんが増加しており、合併症管理については各診療科との連携のもとで安全に治療を完遂することを目標に「肺がんセンター」を設立しました。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010230XX99X00X てんかん 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし 57 6.53 7.10 0.00% 50.70
010060X2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 重症度等 発症前Rankin Scale 0、1又は2 50 17.64 16.13 38.00% 64.96
010061XXXXX0XX 一過性脳虚血発作 手術処置等2 なし 33 7.30 6.22 3.03% 67.24
010040X099000X 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 24 21.04 18.81 45.83% 65.00
010070XX9910XX 脳血管障害 手術なし 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし 23 3.61 3.14 4.35% 74.09
2019年4月~2020年3月に脳神経内科で入院した患者さんの原因の疾患で、DPC14桁分類での上位5疾患について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院は東京都心部の脳卒中診療基幹病院として2006年より脳卒中センターを開設し、24時間365日対応可能な緊急体制を整えています。また2018年10月からは脳卒中専門の集中治療室(Stroke Care Unit: SCU)を設け、急性期治療に積極的に取り組んでいます。そのため脳卒中症例(分類上では、脳梗塞、一過性脳虚血発作、非外傷性頭蓋内出血、脳血管障害に該当)が一番多く、総計130例となっています。そのほか神経救急疾患であるてんかん・けいれん発作の方が多く入院されております。当科では脳卒中の超急性期治療から慢性期の再発予防までを含めた脳卒中の一貫した治療を行っており、緊急時には脳血管内治療科や脳神経外科と連携し、脳血管内治療や脳外科手術にも対応しています。また、退院時には患者さんの状態とご家族の希望をふまえながら自宅への退院や回復期リハビリテーション病院への転院の調整を行っています。急性期疾患以外でも、頭痛・めまいなどの神経系の症状や、パーキンソン病・重症筋無力症などの神経疾患、内科疾患に伴う神経合併症などの症例にも対応しており、脳血管のみならず全身を診る診療に取り組んでいます。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
100071XX99X110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術処置等2 1あり 定義副傷病 あり 重症度等 85歳未満 59 13.15 14.74 0.00% 64.90
100070XX99X110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術処置等2 1あり 定義副傷病 あり 重症度等 85歳未満 46 11.93 15.20 2.17% 64.67
100070XX99X010 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 あり 重症度等 85歳未満 35 11.11 11.68 2.86% 63.20
100040XXXXX00X 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術処置等2 なし 副傷病 なし 34 10.68 13.41 0.00% 56.79
100070XX99X100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術処置等2 1あり 定義副傷病 なし 重症度等 85歳未満 25 11.44 13.72 12.00% 60.80
2019年4月~2020年3月に糖尿病・内分泌内科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、糖尿病と診断された方や糖尿病になるリスクの高い方の治療を行っております。患者さん一人一人に合った食事・運動・薬物療法など、2型糖尿病をはじめとする血糖コントロール目的の入院が多くを占めています。また、1型糖尿病の治療にも精通しており、1型糖尿病治療に必要な知識や技術についても提供しています。
通常の診療に加え、1961年より糖尿病教育入院を行っています。教育入院プログラムの特徴は、糖尿病の治療に必要な知識の修得に力を入れ、体験的治療や家族を含めた指導を積極的に行い、「患者さん自身に主治医になっていただく」ことを目標としていることです。糖尿病は腎・眼・神経など合併症が伴う疾患のため、各診療科や糖尿病療養指導看護師、管理栄養士、薬剤師等が連携し治療を行います。
また、「総合病院の糖尿病内科」として、専門病院では難しい糖尿病合併のがん患者等の手術を可能にするため、外科系診療科と連携し術前血糖コントロール等も行っています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110280XX99000X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 53 8.32 11.67 3.77% 67.79
040081XX99X00X 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 18 16.72 20.84 5.56% 80.89
110280XX99020X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 2あり 副傷病 なし 18 9.83 8.99 5.56% 62.22
110280XX02X00X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 13.71 8.48 5.88% 72.00
110280XX99010X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 1あり 副傷病 なし 16 12.69 14.23 12.50% 71.88
2019年4月~2020年3月に腎臓内科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院には糖尿病に伴う慢性腎臓病の患者さんが多く、当科では早期から生活指導・栄養指導・薬剤指導等を行い、医師・看護師・栄養士・薬剤師が連携したチーム医療で重症化予防に取り組んでいます。また腎疾患は多岐にわたるため、積極的に腎生検等を行い、原因精査および早期治療を行っています。
腎不全が進行してしまった患者さんに対しては、生活指導や栄養指導をはじめとする丁寧な指導を行い、腎代替療法についても詳しく説明を行っております。腹膜透析と血液透析の導入・管理も行っており、透析専任看護師による透析療法選択外来等により、患者さんのライフスタイルに寄り添った治療方法の提供・選択のサポートを行っています。そのほかIgA腎症や難治性ネフローゼ、原発性アルドステロン症による二次性高血圧等に対する診断・加療、集中治療室での緊急血液浄化療法等、集学的治療に積極的に取り組んでいます。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
130030XX99X40X 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術処置等2 4あり 副傷病 なし 99 16.98 15.79 0.00% 70.54
130060XX97X40X 骨髄異形成症候群 手術あり 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 54 33.61 20.30 1.85% 74.00
130030XX97X40X 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 45 27.11 31.30 8.89% 75.02
130060XX99X4XX 骨髄異形成症候群 手術なし 手術処置等2 4あり 44 10.91 10.43 0.00% 71.11
130040XX99X5XX 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術処置等2 5あり 24 16.58 22.79 0.00% 59.54
2019年4月~2020年3月に血液内科・感染症内科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
血液内科では、悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫が入院症例数上位を占めており、なかでも悪性リンパ腫や骨髄異形成症候群の入院数は年々増加傾向にあります。化学療法や支持療法を目的とした入院症例が多くなっていますが、適応される患者さんには骨髄移植、末梢血幹細胞移植、骨髄移植を積極的に行っています。14床の無菌室を完備し、実施症例数は年間約10例の移植を行っています。骨髄異形成症候群や多発性骨髄腫は長期かつ濃厚なケアを必要とする疾患のため、診断技術・見識の向上に取り組み多くの治療選択肢の中から患者さんの状況に応じた適切な治療を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050050XX99100X 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置等1 1あり 手術処置等2 なし 副傷病 なし 154 3.84 3.01 1.95% 68.52
050050XX02000X 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術処置等1 なし、1,2あり 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 102 5.92 4.40 0.98% 69.24
050130XX99000X 心不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし 59 19.66 17.71 3.39% 81.51
050170XX03000X 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術処置等1 なし、1あり 手術処置等2 なし 副傷病 なし 55 5.73 5.34 0.00% 72.27
050050XX99200X 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置等1 2あり 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 54 3.37 3.15 1.85% 68.70
2019年4月~2020年3月に循環器科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院は1979年より東京都CCUネットワークに加盟し、急性心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や、心不全、不整脈などの心臓救急に対応しています。他院からの急性期治療依頼も積極的に受け入れ、緊急経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、24時間365日対応できる体制を整えています。
入院される患者さんの疾患としては心筋梗塞、狭心症、不整脈、心不全が大多数であり、当院の特徴としては糖尿病や慢性腎不全を合併している患者さんが多く、より重症となる症例を多く診療しています。虚血性心疾患の治療には、経皮的冠動脈インターベンションや開胸による冠動脈バイパス術がありますが、各手術の特性を鑑み患者さんに最適な治療方針決定のため、心臓血管外科と血管内治療に関わり協働しております。その他糖尿病内科、腎臓内科、形成外科、皮膚科との連携したチーム医療を行っており、がん専門病院と病病連携し循環器診療のサポートを行っています。
2017年経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)実施必須要件のハイブリッド手術室が使用可能となり、2018年にプロクター制度下で認定されました。その後、規定数の手術を無事に実施し、2018年12月に正式に経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)実施認定施設になりました。設備がより強化された救命センターで医師と協力し、心停止後等の重篤な心臓疾患患者さんへ最適な治療が可能となりました。科学的根拠に基づいた医療を基本とし、患者さんやご家族のニーズに最大限に答えるために、全人的かつ質の高い医療を提供できるよう努めています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
140010X199X00X 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし 10 6.00 6.17 0.00% 0.00
040100XXXXX00X 喘息 手術処置等2 なし 副傷病 なし - - 6.64 - -
030270XXXXXXXX 上気道炎 - - 4.94 - -
0400801199X00X 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 5.69 - -
040090XXXXXX0X 下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし - - 6.19 - -
2019年4月~2020年3月に小児科で退院した患児の、DPC14桁分類で症例数上位5疾患の患児数、在院日数等を示します。 
当院では2017年の新病棟稼動に伴い、当院で出生した新生児および併設の乳児院の乳児への対応と入院が中心となりました。現在は小児専用病棟はなく、混合病棟内の個室対応となっています。今回の期間では新生児の入院対応(低出生体重児、低血糖、新生児黄疸、母体糖尿病など)と乳児院乳児の気管支炎・肺炎などの呼吸器感染症が多くを占めています。今後、産科の分娩数の増加に伴い新生児の入院が増加する可能性があります。
外来では一般外来の他に予防接種、乳児検診に力を入れて取り組み、専門外来としては小児・思春期頭痛外来、小児内分泌外来、こどものおなかの外来などを設置しており、お子さんやご両親へ適切な対処法やアドバイスをお伝えしております。
一般・消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060150XX03XXXX 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 89 4.97 5.45 0.00% 42.61
060160X001XXXX 鼠径ヘルニア(15歳以上) 小腸切除術 悪性腫瘍手術以外の切除術等 86 5.45 4.85 1.16% 67.94
060335XX02000X 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 72 7.35 7.13 1.39% 64.17
110280XX02X00X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 29 10.45 8.48 0.00% 69.21
060035XX01000X 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 27 14.33 15.02 0.00% 70.85
2019年4月~2020年3月に一般・消化器外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、消化器領域(胃、食道、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆道、膵臓)の良性および悪性疾患の手術や、鼠径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、シャント造設など一般外科領域の手術も幅広く行っています。当院は東京都認定がん診療病院に指定されており、放射線科・消化器内科・腫瘍内科と連携して、外科手術、内視鏡治療、化学療法や放射線療法と集学的がん治療を行っております。また、当院は24時間体制で救急患者さんを受け入れる救命救急センターがあり、消化管穿孔による腹膜炎や胆嚢炎、絞扼性ヘルニアなどの緊急手術に対応することで地域医療に貢献しています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040XX97X0XX 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術処置等2 なし 72 11.56 11.51 0.00% 69.85
040200XX01X00X 気胸 肺切除術等 手術処置等2 なし 副傷病 なし 21 6.05 10.18 0.00% 36.05
040200XX99X00X 気胸 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし 20 4.15 9.11 5.00% 48.80
040010XX01X0XX 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 手術処置等2 なし - - 9.75 - -
040040XX9910XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし - - 3.34 - -
2019年4月~2020年3月に呼吸器外科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率および平均年齢を示しています。
呼吸器外科では、肺がんや縦隔腫瘍、若年の男性に突発的におこる気胸などの疾患が入院症例の上位を占めています。当科で外科治療を行っている疾患は、他に転移性肺腫瘍や胸腺腫、膿胸などがあります。なかでも、肺がん診療に力を入れており、未確診の胸部異常陰影の診断も積極的に行っています。手術手技は胸腔鏡を駆使した低侵襲手術を行い、呼吸器内科、放射線治療科、病理診断科、緩和ケア科等との協力体制の下、早期肺がんから進行肺がんまで集学的治療に取り組んでいます。また、脳梗塞や心筋梗塞の既往のある患者さんや、重篤な糖尿病や腎不全、血液疾患の合併症を伴った患者さんも積極的に受け入れ治療を行っています。総合病院の強みを活かし、内科各科、糖尿病内分泌科、循環器内科、心臓血管外科等と連携し、患者さん一人一人の状況に特化した治療を行っています。
心臓血管外科・血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050163XX03X0XX 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術処置等2 なし 28 9.25 11.75 3.57% 78.68
050050XX0101XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術処置等1 なし 手術処置等2 1あり 23 18.78 22.71 4.35% 67.39
050050XX0111XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術処置等1 1,2あり 手術処置等2 1あり 15 25.27 27.97 0.00% 72.40
050163XX01X10X 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術処置等2 1あり 定義副傷病 なし 10 23.30 28.02 20.00% 71.30
050161XX97X10X 解離性大動脈瘤 その他の手術あり 手術処置等2 1あり 定義副傷病 なし - - 27.88 - -
2019年4月~2020年3月に心臓血管外科・血管外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
上位5症例に関しては、大動脈瘤に対して手術を行う症例と、動脈の狭窄・閉塞等によって起こる虚血性疾患に対する症例で占められています。当科では、手術後の早期社会復帰や健康寿命をより長く延ばすことを大切に考えながら、成人心臓病血管疾患のすべてを対象に診療および手術を行っています。また当院は2017年よりハイブリット手術室を新設し、多彩な血管外科治療を行う体制を整え、血管外科・心臓血管外科専門医がチームとなり診療に取り組んでいます。そのため開胸(または開腹)による外科手術のみならず、カテーテルによる胸部や腹部を切らない治療にも対応しているため、大動脈瘤の破裂を防ぐためカテーテルを用いて挿入するステントグラフト内挿症例が上位となっています。狭心症や心筋梗塞などの虚血性疾患の治療には循環器内科による心臓カテーテル治療(PCI)もあるため、チームを組み患者さんひとりひとりの病変に応じた治療を選択しています。そのほか救急救命センターとして、緊急を要する重症な心血管疾患の患者さんに対し血管造影検査や手術を迅速に行っています。急性期疾患以外では、弁膜症専門外来を設置し、早期の段階から専門医が診療に当たることで適切な治療・手術時期の判断を行っています。また当院は糖尿病の患者さんも多い傾向から、慢性腎不全の患者さんに対する透析シャント設置にも取り組んでおり、近隣病院と連携をとりながら広く治療に努めています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160100XX97X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術処置等2 なし 副傷病 なし 32 12.38 9.67 9.38% 74.38
160100XX99X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし 18 14.39 7.34 33.33% 68.17
010200XX01X00X 水頭症 水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等 手術処置等2 なし 副傷病 なし 16 23.63 19.92 18.75% 75.94
010040X101X1XX 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS30以上) 脳血管内手術+脳動静脈奇形摘出術等 手術処置等2 あり 13 56.31 39.27 84.62% 60.00
010230XX99X00X てんかん 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし 10 6.30 7.10 0.00% 55.30
2019年4月~2020年3月に脳神経外科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科で扱う疾患には、交通事故や転倒・転落などによる頭部外傷、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血などの脳卒中・脳血管障害、脳腫瘍等があります。
2006年に脳卒中センターを開設し、さらに2008年にはSCUを設け、緊急手術などの対応も可能となりました。救命救急センターを設置しており、緊急性が高い硬膜下血腫、くも膜下出血などの脳内出血(外傷性、非外傷性)等に対して救急診療科と協力して365日休むこと無く治療できる体制を整えています。
このような当院の診療体制を反映して、頭蓋・頭蓋内損傷が件数上位となり、それに水頭症および非外傷性頭蓋内血腫の手術症例が続いています。また、てんかんや脳腫瘍などの脳神経の疾患に対しても、積極的に治療を行っています。
いずれの疾患でも、入院中に手足の麻痺や歩行障害、言語障害、嚥下障害など認めた場合には、出来る限り早期からリハビリを行い、良好な機能回復、早期退院を目指しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160800XX01XXXX 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 89 26.53 25.94 61.80% 83.34
07040XXX01XXXX 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 73 21.77 21.53 13.70% 68.79
160760XX97XXXX 前腕の骨折 手術あり 41 3.71 5.54 2.44% 66.39
070230XX01XXXX 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 37 26.68 23.56 29.73% 75.43
070343XX99X20X 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術処置等2 2あり 定義副傷病 なし 36 3.17 6.25 0.00% 70.06
2019年4月~2020年3月に整形外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では骨折などの外傷疾患の他に、加齢による変性疾患も対象としています。下肢領域では人工股関節の手術症例が多くを占めています。様々な技術的な改良も取り入れ、早期に歩行練習を開始することでより早い改善が可能になっており、膝関節手術も同様です。また脊椎領域では、脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア・変形性側弯症などの症例が多く、X線写真、MRIにて支持性の低下、神経への圧迫、いずれが症状の主因であるかを確認した上で治療方針を立てていきます。手の外科領域では専門医が腱鞘炎・ばね指・手根管症候群・ガングリオンなどに対して超音波検査にて正確な病態把握をし、それに基づき的確な治療・手術を行っています。
いずれもできる限り低侵襲な方法で手術を行い早期離床、早期リハビリテーションによる早期の回復を目指すことで、短期間による入院治療が可能となっており、リハビリの継続が必要な方はリハビリ病院と連携してリハビリを行っていきます。最先端技術も積極的に取り入れ、患者さんの苦痛を軽減する的確な対策と、体への負担は少なく最大の治療効果を得るよう安心・安全で確実な最善の治療を提供しております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110080XX991X0X 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 あり 定義副傷病 なし 121 2.25 2.49 0.00% 68.58
110070XX0200XX 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 75 5.32 7.07 0.00% 72.69
11012XXX040X0X 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 手術処置等1 なし 副傷病 なし 52 1.75 2.64 0.00% 54.77
11012XXX020X0X 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術処置等1 なし 副傷病 なし 41 3.39 5.61 0.00% 57.39
110200XX02XXXX 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術 36 7.58 8.52 2.78% 73.53
2019年4月~2020年3月に泌尿器科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科は、尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、男性生殖器(前立腺、精巣、陰茎)、副腎(ホルモンを出す臓器)に関わる疾患について診療を行っております。
入院患者数においては、前立腺がん、膀胱がんなどがん治療の件数が上位であることが特徴です。前立腺がんの治療においては、確定診断に有効な前立腺針生検を1泊2日の入院で行うことが可能であり、その病理診断結果や、MRI等の画像診断所見などをもとに、手術、ホルモン剤治療、放射線治療(IMRT)など症例ごとに最適な治療方法を選択しています。また、ロボット手術などを希望される患者さんに対しては、施行可能な連携医療機関に適宜紹介を行っています。膀胱がんに対しては、早期の場合、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)など内視鏡を用いた低侵襲な術式を行う一方、浸潤がんでは膀胱全摘術を行うなど進行度に応じて術式を選択しています。また、尿路結石の治療においては、ESWL(体外衝撃波腎・尿管結石破砕術)による治療とともに、必要であればホルミウムレーザーを用いた経尿道的結石除去術も行っています。前立腺肥大症の治療においては、新しい術式である生理食塩水を潅流液として用いる経尿道的手術も行っており、従来の術式と比べてより合併症が少なく、安全に行うことができるようになりました。また、女性に多い骨盤臓器脱、腹圧性尿失禁などは、女性泌尿器科外来を開設しており、これらの疾患においても従来の術式に比べてより侵襲の少ない術式を取り入れた手術治療を行っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120060XX02XXXX 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 122 6.16 6.09 0.00% 42.25
120070XX02XXXX 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 63 6.37 6.21 0.00% 40.49
120220XX01XXXX 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 47 2.96 2.90 0.00% 42.15
120100XX01XX0X 子宮内膜症 子宮全摘術等 定義副傷病 なし 42 7.40 7.37 0.00% 40.07
120090XX97XXXX 生殖器脱出症 手術あり 22 9.36 8.65 0.00% 68.95
2019年4月~2020年3月に産婦人科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では子宮の良性・悪性腫瘍、卵巣腫瘍などの女性特有疾患の手術を多く行っています。手術においては、患者さんの負担を減らす低侵襲を目的とした内視鏡下手術(腹腔鏡・子宮鏡)に力を入れています。各診療科と連携して子宮内膜症やポリープ、良性・悪性腫瘍などの治療にも積極的に取り組んでいます。また、高齢化に伴い増加傾向にある骨盤臓器脱や、若年にみられる脱の術後再発への手術にも実績があります。
2017年5月より分娩を再開するに伴い、セミオープンシステムや無痛分娩、産後ケアショートステイを導入したことで妊産婦さんを全力でサポートできる体制を整え、より安心安全な産科医療を提供しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020110XX97XXX0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度等片眼 195 2.38 2.78 0.00% 74.97
020110XX97XXX1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度等両眼 71 2.92 5.09 0.00% 78.15
020200XX9710XX 黄斑、後極変性 手術あり 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし 11 4.27 6.71 0.00% 70.09
020180XX97X0X0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術処置等2 なし 重症度等片眼 - - 7.29 - -
020240XX97XXX0 硝子体疾患 手術あり 重症度等片眼 - - 5.95 - -
2019年4月~2020年3月に眼科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
眼科では、平成30年度に引き続き白内障手術を目的とした入院症例が多数を占めています。白内障の手術実績は、日帰り手術(外来手術)も含め年間約500件を行っています。当科では、白内障のほか、糖尿病網膜症、緑内障、加齢黄斑変性などの治療を主に行っています。糖尿病網膜症は糖尿病の三大合併症の一つで、日本での失明原因の上位を占める重篤な病気です。糖尿病のほか、腎臓疾患、心臓疾患などをお持ちの患者さんには、基本的に入院手術をお勧めしております。より安全に手術を受けていただくために、糖尿病内科など他診療科との連携を図っています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
030350XXXXXXXX 慢性副鼻腔炎 51 5.78 6.80 0.00% 56.04
030270XXXXXXXX 上気道炎 46 5.39 3.86 0.00% 37.74
030230XXXXXXXX 扁桃、アデノイドの慢性疾患 33 8.06 7.80 0.00% 31.36
030240XX99XXXX 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 24 4.67 5.45 0.00% 38.46
03001XXX01000X 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし 19 15.32 13.11 0.00% 72.42
2019年4月~2020年3月に耳鼻咽喉科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では慢性副鼻腔炎による入院患者数が多く、内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS)や、鼻中隔弯曲症に対する鼻中隔矯正術が行われています。昨年度より上気道炎での入院患者数も増えてきております。それに伴い喉の疾患である扁桃炎、扁桃周囲膿瘍の入院患者数も多く、咽頭電子スコープ、咽頭ストロボスコープなどを用いて診療し、口蓋扁桃摘出、咽頭マイクロサージャリーを行っています。頭頸部がんに対しては、低侵襲な経口的内視鏡下手術をはじめ、化学療法や放射線治療、頸部手術を行い、さらに腫瘍内科や緩和ケア科と連携したチーム医療も心がけています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
080010XXXX0XXX 膿皮症 手術処置等1 なし 33 11.36 12.55 3.03% 69.12
080020XXXXXXXX 帯状疱疹 11 8.00 9.00 0.00% 74.00
080007XX010XXX 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術処置等1 なし 10 2.70 4.01 0.00% 56.70
080050XXXXXXXX 湿疹、皮膚炎群 - - 10.67 - -
080100XXXX0XXX 薬疹、中毒疹 手術処置等1 なし - - 10.81 - -
2019年4月~2020年3月に皮膚科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院の皮膚科では、全身の皮膚、頭の毛髪から手足の爪の先まで、最も外表面にある臓器・器官に関して、湿疹、感染症、皮膚がんに至るまで幅広く診療を行っています。
入院治療においては急性膿皮症(主に蜂窩織炎)が最も多く、それに帯状疱疹が続いています。皮膚腫瘍については、悪性・良性いずれも手術治療を行っており、悪性腫瘍では、基底細胞がん、ボーエン病、乳房外パジェット病が、良性腫瘍では脂肪腫、粉瘤、母斑、軟部腫瘍がそれぞれ多くなっています。的確な臨床病理診断のもと、症例に応じて液体窒素、外科手術や化学療法及び放射線療法を選択しています。当院は多くの診療科でがんの化学療法を実施していますが、薬疹や点滴部位の障害など皮膚トラブルが発生した場合には、その治療にも当たっています。また褥瘡対策委員会における主要科として、入院患者全体にわたる褥瘡ケアやスキンケアの管理を行ったり、糖尿病患者の足のケア(フットケア・水虫・たこ・潰瘍、爪の処置など)の一部に携わったりするなど、当院全体のチーム医療の一端を担っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020230XX97X0XX 眼瞼下垂 手術あり 手術処置等2 なし 17 2.65 3.10 0.00% 70.88
160200XX0200XX 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む) 鼻骨骨折整復固定術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 16 5.63 5.26 0.00% 46.56
070010XX010X0X 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術処置等1 なし 副傷病 なし - - 5.41 - -
100100XX97X1XX 糖尿病足病変 手術あり 手術処置等2 あり - - 48.04 - -
050170XX0320XX 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術処置等1 2あり 手術処置等2 なし - - 52.69 - -
2019年4月~2020年3月に形成外科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では生まれつきの変形や手術・けが等による変形を修復し、患者さんがより良い社会生活を送れるように外科的治療でサポートしています。各外科系診療科と連携し機能回復と整容性を重視した加療を行っているため、昨年に引き続き眼瞼下垂や顔面損傷による鼻骨骨折が入院症例の多くを占めています。また体の表面にあたる皮膚やその下の皮下組織等に発生した良性腫瘍(母斑や脂肪腫等)の摘出を目的とした症例も昨年同様上位症例となっています。その他にも、糖尿病に伴う壊死・骨髄炎などにより足の手術が必要となった症例や、血管が狭窄・閉塞してしまい拡張する手術が必要となった症例にも積極的に取り組んでいます。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
090010XX02X0XX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術処置等2 なし 42 4.57 6.10 0.00% 60.12
090010XX01X0XX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術処置等2 なし 36 10.92 10.34 0.00% 57.81
090020XX97XXXX 乳房の良性腫瘍 手術あり 17 3.18 3.94 0.00% 46.65
180050XX97XXXX その他の悪性腫瘍 手術あり - - 17.06 - -
090010XX97X0XX 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術処置等2 なし - - 6.48 - -
2019年4月~2020年3月に乳腺外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
乳がんは女性が最も罹りやすいがんとなっておりますが、当院は乳がん専門施設の認定を受け、乳腺専門医が精度の高い診断、手術治療に努めています。患者さんの病期、背景等によって治療法は異なるため、手術のみでなく、放射線治療や腫瘍内科と連携した化学療法などを含めた適切な治療、術後のフォローまでしっかりとさせていただきます。早期乳がんの場合、可能な限り乳房温存の術式を選択し、センチネルリンパ節生検(RI法と色素併用法)、腋窩リンパ節郭清の省略をして患者さんの負担の軽減を図るなど、quality of lifeを重視した治療を積極的に行っています。乳房温存手術では、整容性に配慮し、なるべく満足度の高い手術を目指しています。また、乳房全摘除を行った場合も、形成外科と連携し、患者さんの希望により乳房再建術なども行っています。ご高齢の方、合併症(循環器系・糖尿病など代謝性疾患)をお持ちの患者さんに対しても、内科系診療科などと連携し、安全に治療が受けられる体制を整えています。
救急診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
161070XXXXX00X 薬物中毒(その他の中毒) 手術処置等2 なし 副傷病 なし 19 3.79 3.52 0.00% 30.79
180010X0XXX3XX 敗血症(1歳以上) 手術処置等2 3あり 18 23.61 38.85 27.78% 75.89
080270XXXX0XXX 食物アレルギー 手術処置等1 なし - - 2.48 - -
160100XX97X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術処置等2 なし 副傷病 なし - - 9.67 - -
160100XX99X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし - - 7.34 - -
2019年4月~2020年3月に救急診療科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
救急診療科では、過量服用による急性薬物中毒などの緊急性を伴う疾患や、人工呼吸器や人工透析を必要とする重篤な敗血症症例が上位を占めています。次いで重度外傷の頭蓋・頭蓋内損傷症例が多く、脳神経外科と連携し緊急手術に対応しています。2018年11月より脳卒中の専門病棟(SCU)を開設しており、開頭による緊急手術後の受入体制にもさらに充実を図っています。当院では急増する救急需要に応えるため2012年12月から救命救急センター22床を開設、2017年5月の新病棟移転からは最新鋭の設備を備えた救急外来と、救命救急センターも30床に拡充され救急診療機能を一層強化し救急外来での初期治療から継続し救命病棟での集中治療を行っています。救命救急センターでは重度外傷、心肺停止、心臓・大血管疾患や重症敗血症などの多岐にわたる疾患を、救急診療科と専門診療科が協働して速やかな診断と治療に当たります。
腫瘍治療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060020XX99X50X 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等2 5あり 定義副傷病 なし 24 7.79 7.32 0.00% 75.50
060010XX99X40X 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 20 6.60 9.34 0.00% 69.75
060035XX99X50X 大腸(上行結腸からS状結腸)の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等2 5あり 副傷病 なし 20 5.70 4.26 0.00% 61.65
060100XX01XX0X 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし 17 3.00 2.63 0.00% 67.59
060040XX99X71X 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等27あり 定義副傷病あり 16 5.81 9.70 0.00% 78.00
2019年4月~2020年3月に腫瘍治療科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科ではがんの診断から治療まで関わっており、患者さんの全身状態を総合的に判断し、最新のエビデンスに基づいた標準的化学療法を選択しています。消化器がんを中心に、胃がん、食道がん、大腸がんの入院が多くなっています。その他に乳がん、泌尿器系・婦人科系悪性腫瘍、頭頚部がん、原発不明がん、その他悪性腫瘍一般などと多岐にわたり対応しています。
患者さんと医療者の間で積極的にコミュニケーションをとることで、精神面での不安を解消できるようなアットホームな診療を提供します。また、がん看護専門看護師、がん薬物療法認定薬剤師、緩和ケアチーム、医療ソーシャルワーカー等がチームとなり、患者さんの診断、治療からケア生活面の問題解決などに積極的に取り組んでいます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 47 22 24 41 41 16 1 8
大腸癌 22 42 38 47 102 35 1 8
乳癌 32 27 10 - - 23 1 8
肺癌 52 38 64 66 61 51 1 8
肝癌 - 10 - - - 48 1 8 <
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
日本で現在最も罹患数の多い5つのがん(胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん・肝がん)の病期(ステージ)ごとの症例数を集計しました。病期分類はがんがどれくらい進行しているかを分類するもので、Stage0からStageⅣまであり、StageⅣが最も進行していることになります。なお、再発がんは症例数のみを別に集計しています。がんの症例数をみることで、その病院がどの程度がん治療やケアに積極的に取り組んでいるのかを知ることができます。また、病期分類をみることでその病院がどれくらい幅の広い診療を行っているかを知ることができます。
専門性・機動力・総合力を兼ね備えたチーム医療が当院のがん診療の特徴であり、2015年4月より東京都がん診療拠点病院の指定も受けています。チーム体制のもと、がん専門病院では治療が難しいとされる糖尿病や心疾患などの合併症をお持ちの患者さんにも安心して最良の治療を受けていただけるよう、切れ目のない全人的ながん診療に努めています。                                                                       各診療科・腫瘍内科・放射線治療科・緩和ケア科などの多部門・多職種が連携し、がんの進行度・予後規定因子・併存疾患・全身状態などから個々の患者さんの状態を総合的に判断した上で、手術療法・放射線治療・薬物治療などから最新のエビデンスに基づいた最適な治療法を選択します。当院では2014年4月にがん薬物療法を専門的に扱う腫瘍内科を開設し、抗悪性腫瘍薬はもとより新規抗がん剤・分子標的薬・PD-1抗体など使用薬の選択肢を広げることにより、緩和ケアの取り組みにも力を注いでいます。他にも、がんに関するご相談をお受けするがん看護外来やがん相談窓口の設置など、治療からケアまで積極的に取り組んでいます。
当院での5大がんの症例数では平成29年度実績から引き続き肺がんが最も多く、病期はStageⅢ・Ⅳが多くなっています。原発性肺がんは診断時にはすでに進行している症例が多い傾向にあります。肺がんの検査・治療においては、検査精度の充実を図り超音波内視鏡(EBUS-TBNA)の最新機器を導入し、診断・治療計画の検討を呼吸器外科と連携して行っています。手術が適応となる場合は患者さんの体への負担や安全を考慮し、開胸と胸腔鏡を併用したより低侵襲な胸腔鏡下肺切除術を積極的に行っています。また手術が適応にならない場合には、抗癌剤や放射線による治療を行っていきます。次いで多い大腸がん・胃がんの治療では、早期大腸がんや早期胃がんに対しては内視鏡的粘膜剥離術(ESD)を積極的に行っています。進行がんに対しては消化器外科と連携し、拡大手術(肝転移、肺転移に対する切除術)を行っています。胃がん・乳がんに関しては定期健診の普及や検査機器の進歩もあり早期発見・早期治療が可能となってきているため、病期はStageⅠ・Ⅱが多くなっています。乳がんの治療では、早期乳がんの場合は乳房温存療法のほかセンチネルリンパ節生検、腋窩リンパ節郭清の省略などquality of lifeを重視した治療を積極的に行っています。肝がんは治療後も再発することが多い疾患であり、ラジオ波やTAE(経カテーテル肝動脈塞栓術)等を行いながら経過を追っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 40 6.30 53.30
中等症 125 15.26 79.79
重症 21 23.95 81.62
超重症 - - -
不明 - - - <
肺炎は肺実質におこる感染性炎症で、市中肺炎と院内肺炎があります。そのうち成人におきた市中肺炎を重症度別に集計しました。市中肺炎とは、一般的な社会生活を送っている中で発症した肺炎です。通常はインフルエンザ等のウイルスによるものも含みますが、本指標では除外します。また、新型コロナウイルスによる肺炎は含みません。重症度分類はA-DROP法にて分類しており、0が軽症、1~2が中等症、3が重症、4~5が超重症となります。本指標で、どのくらい重い症状の肺炎患者さんを診療しているかを知ることができます。
重症度別患者数では昨年に引き続き中等症が最も多く、全体の6割を超えています。平均年齢をみると軽症は50代であるのに対し、中等症から超重症では70代から80代となっており、高齢になるにつれ重症化する傾向にあります。また、年齢に比して平均在院日数が伸びることより、高齢になるにつれ回復までの治療期間も要する傾向にあります。慢性呼吸器疾患等の合併症を有した肺炎の場合、適切な抗生剤投与や酸素投与、人工呼吸器の装着などの支持療法管理が重要となります。また、当院ではリハビリテーション科と連携し、誤嚥や長期臥床に伴う体力低下予防のために呼吸器リハビリテーションの早期介入にも取り組んでいます。
脳梗塞の患者数等
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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 204 27.98 72.49 40.20%
その他 28 26.71 73.11 42.86%
2019年4月~2020年3月に当院を退院した患者さんのうち医療資源を最も投入した傷病名が脳梗塞の患者さんを対象として、その発症から入院までの日数を「3日以内」と「その他」に分け、それぞれの患者数・平均在院日数・平均年齢・転院率を示しています。患者数は発症3日以内の急性期脳梗塞が多く、脳梗塞の患者数の8割を超えています。平均年齢は3日以内とその他ともに70代以上となっています。転院率は年々増加しており4割超となっています。
当院は、2006年の脳卒中センター開設にて24時間365日体制での救急患者受け入れが可能となり、2009年3月には東京都脳卒中急性期医療機関の認定を受けました。急性期脳梗塞の診断・治療を担う病院としてさらに治療体制の強化を図るべく、2018年10月には脳卒中専門病床となる脳卒中ケアユニット(SCU)を設置しています。脳梗塞は早期治療が重要となるため、SCUでは脳神経内科・脳神経外科・脳血管内治療科・救命救急センターの各科専門医が連携し、CTやMRIなどによる迅速な検査・診断のもと治療方針の検討を行い、最適な治療を行っています。急性期治療では、点滴によるtPA療法(超急性期血栓溶解療法)、カテーテルによる血管内治療や開頭手術などを行っています。また急性期治療と並行し、体力低下予防・早期機能回復を目的としたリハビリテーションの早期介入を行っています。さらに地域医療連携室とも連携し、回復期リハビリテーション病院などへの転院サポートも脳卒中地域連携パスを用いて積極的に行っており、このような連携が転院率の増加にも示されます。急性期高度専門治療から退院後の支援まで、多部門が一丸となり継ぎ目のない脳卒中医療を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
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総合診療・感染症内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 32 11.84 23.50 12.50% 71.63
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) - - - - -
2019年4月~2020年3月に総合診療科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科は、内科系疾患全般が対象であり、かかりつけ医と連携して診療する開放病床での入院や、生活困窮者への診療などを行っています。そのような特性から、専門科と連携を取りながら「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」や「内視鏡的胆道ステント留置術」などの内視鏡下手術、肝がんに対する血管塞栓術、化学療法を開始する患者さんへ対する植込型カテーテル設置術など、幅広い手術を行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 163 1.07 1.27 0.61% 71.63
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 69 2.58 11.94 8.70% 74.71
K654 内視鏡的消化管止血術 62 1.11 5.21 3.23% 66.26
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 44 1.05 4.34 0.00% 72.43
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 39 1.95 5.15 5.13% 69.36
2019年4月~2020年3月に消化器内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科で最も多い術式は内視鏡的大腸ポリープ切除術となっており、ポリープの大きさや合併症の有無など患者さんの状態に応じて、外来又は短期入院で治療しています。また、総胆管結石による胆管炎に対する内視鏡ステント留置術や乳頭切除術も多く実施されており、早期治療を行うことで重症化を防いでいます。
内視鏡的消化管止血術は上部消化管出血や下部消化管出血に対し、24時間体制で施行しています。その他早期の胃がん・大腸がんに内視鏡下切除を行っておりますが、特に最近3cm以上の大きな早期胃がん・早期大腸がんに対して内視鏡的粘膜剥離術(ESD)を積極的に行い、ESDの件数も増加しております。
当科で扱う疾患は幅広いため消化器外科・放射線科の各専門医と密接な連携をとり、診断と治療方針決定のためのカンファレンスを活発に行うことで、最善の治療を目指しています。
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) - - - - -
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) - - - - -
2019年4月~2020年3月に呼吸器内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
呼吸器内科では、肺がん、間質性肺炎、細菌やウイルスなどの感染による肺炎が上位入院症例となっています。なかでも誤嚥性肺炎の入院症例増加の影響もあり、手術件数では胃瘻造設術が上位となっています。肺がん治療では、手術、抗がん剤治療、放射線治療法が三本柱とされており、呼吸器外科や放射線治療科、病理診断科と連携し抗がん剤治療・放射線治療、手術治療などの治療に当たっています。また、治療中に発症した合併症の治療には、当該診療科と連携し迅速かつ患者さんの状態に合わせた治療を行っています。
脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K178-4 経皮的脳血栓回収術 18 2.22 32.00 55.56% 74.94
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 10 5.40 30.00 10.00% 77.40
K1781 脳血管内手術(1箇所) - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) - - - - -
K178-2 経皮的脳血管形成術 - - - - -
2019年4月~2020年3月に脳神経内科で入院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科での手術は、カテーテルを血管内へ挿入して行う脳血管内手術が中心となります。最も多い手術は、カテーテルで血栓を回収する「脳血栓回収術」となります。脳梗塞では、発症後24時間までなら血管閉塞部位の血栓をカテーテルで回収する治療を行うことにより症状が劇的に改善する可能性があります。当科では血管内治療専門医と脳神経外科医とが連携を取りながら24時間体制で治療を行っており、専門的手術とその後の内科的集中管理まで連続的に行う体勢が整っています。その他、脳梗塞の原因となる頸動脈の狭窄を広げるための「頸動脈ステント留置術」、くも膜下出血の原因とされる脳動脈瘤をコイルで塞ぐ「脳血管内手術」等を多く行っています。どちらも比較的体への負担が少なく、高齢の患者さんや様々な合併症をもつ患者さんにも安全に行うことが可能です。また脳卒中等で口からの食物摂取が不可能になった患者さんに対して、リハビリを行うための栄養補給を目的として、胃瘻造設術等も行っています。
糖尿病・内分泌内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 25 4.16 3.60 0.00% 75.32
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) - - - - -
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) - - - - -
K0841 四肢切断術(上腕、前腕、手、大腿、下腿、足) - - - - -
2019年4月~2020年3月に糖尿病・内分泌内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では糖尿病患者に対しての原疾患の治療と共に、検査結果などから悪性腫瘍の疑いがある場合には他科と連携し内視鏡検査等の精査も併せて行っています。そのため内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術の件数が多くなっています。また、糖尿病の重大な合併症でもある循環不全による足潰瘍に対して、血管拡張術・血栓除去術、腐骨摘出術などを施行しています。糖尿病による足病変は、糖尿病性神経障害による感覚低下や網膜症などの視力障害から傷があっても気がつきにくく発見が遅れてしまうことや血流障害により潰瘍になってしまうこと、傷が治りづらく治癒が遅れてしまうことが大きな要因とされています。当院ではフットケア外来を設置しており、専任医師・看護師・装具士などが一丸となって潰瘍を発症させないために早期発見・予防を行っています。このように糖尿病合併症の治療にも力を入れ、眼科等院内複数の診療科が連携し、最良で安全な治療を行っております。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 20 10.10 14.70 15.00% 69.15
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 17 6.12 8.82 0.00% 72.71
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 13 5.77 24.77 7.69% 80.00
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -
K613 腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術) - - - - -
2019年4月~2020年3月に腎臓内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院は透析導入病院としての機能を有しているため、透析に関する手術が多数を占めています。最も多い手術は「内シャント設置術」となります。シャント設置術とは、血液透析を行うための脱血・返血を容易にする血液の通り道を作成することです。シャント血管の狭窄や閉塞に対して、カテーテルで行う血管内治療「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」、外科的に行う「血管バイパス移植術」も上位術式となっています。また、これから腹膜透析を始める患者さんに対する「腹膜灌流用カテーテル留置術」も行っています。当科では透析導入に対しては患者さんの生活背景・価値観に寄り添った療法選択をし、導入後は通院透析も行っています。そのほか透析患者さんに対しての「内視鏡的ポリープ切除術」、腎臓の血管障害が原因で起こる高血圧に対して行う「腎血管拡張術」も多くなっています。血管に対する手術の際には心臓血管外科とも連携をとり、より確実な治療に取り組んでいます。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K9212ロ 造血幹細胞採取(一連につき)(末梢血幹細胞採取)(自家移植の場合) - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) - - - - -
K6261 リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) - - - - -
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) - - - - -
2019年4月~2020年3月に血液内科・感染症内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
血液内科では、悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群や多発性骨髄腫の入院症例が多く、患者さんの状況に注視し化学療法または支持療法などを行っています。適応される患者さんには造血幹細胞移植を積極的に行っています。14床の無菌室も完備しており、2018年には骨髄移植推進財団(骨髄バンク)より非血縁者間骨髄採取施設として認定を受け、骨髄移植推進財団を介した移植の実施も開始しています。そのほか治療経過中に発症した疾患に対する手術や、正確な診断と標準治療計画のために不可欠なリンパ節摘出術が上位となっています。化学療法を開始するための中心静脈注射用カテーテル挿入術の施行や腹水など合併症に対しても、各診療科の専門医と、連携体制を整え専門的治療を行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 133 2.55 5.31 1.50% 68.70
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 77 2.77 6.09 1.30% 74.52
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 24 6.58 8.92 4.17% 78.25
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 18 1.50 3.39 0.00% 60.44
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 14 0.07 21.71 28.57% 63.00
2019年4月~2020年3月に循環器科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院は1979年より、東京都CCUネットワークに加盟し、急性心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や、心不全、不整脈などの心臓救急に対応しています。特に急性心筋梗塞に対する緊急経皮的冠動脈インターベンションは、24時間365日対応可能な体制を整えています。手術件数では、急性心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈ステント留置術(インターベンション)が大多数を占めています。特に急性心筋梗塞は冠動脈に急激な狭窄や閉塞がおきて心臓の筋肉に血液が送られなくなり、心臓の筋肉が壊死する病気で治療のガイドラインでは、病院到着より冠動脈の再開通までの時間が90分以下とされています。このため一刻も早く検査治療が始められるかが重要となるので、救急外来やカテーテル治療室で連携を図り、看護師・検査技師なども含めたチーム医療で行っております。徐脈性不整脈、心房細動、などの不整脈疾患も増加しており、永久型ペースメーカー移植術や植え込み型除細動器(ICD)の導入も積極的に実施し、術後も「ペースメーカー外来」や「ICD外来」で定期的な診療を行っています。また、平成31年度は、心房細動に対するカテーテルアブレーションが施行できる体制が整い、手術件数を伸ばしています。平均年齢60歳で、比較的若い年代の心房細動例を対象に積極的に行っています。血管外科・血管内治療医と連携し、末梢循環障害(閉塞性動脈硬化症)などに対して末梢血管手術(PTA)にも力を入れています。
一般・消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 99 1.71 5.03 1.01% 63.33
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 89 0.46 3.51 0.00% 42.61
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 63 1.13 2.97 1.59% 70.56
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 37 3.03 15.65 2.70% 70.30
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 22 0.95 2.41 0.00% 59.05
2019年4月~2020年3月に一般・消化器外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、症例の多い胆嚢疾患と虫垂炎に対する腹腔鏡手術(胆嚢摘出術・虫垂切除術)が大半を占めています。最近では、腹腔鏡下での鼠径ヘルニア手術も増加しています。消化器がんに対しては、胃・大腸・食道・肝胆膵がんなどあらゆる消化器がんに対する手術を行っています。病状により、腹腔鏡下の低侵襲手術から、血行再建を必要とする拡大手術まで幅広く施行しています。腎臓内科、糖尿内科や循環器科とも連携し、余病の多い患者さんに対しても高度な医療が提供できるように努めています。また、当院は救命救急センターを併設しているため、腹部の救急疾患に対して24時間体制で手術を行っております。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 49 1.20 9.45 0.00% 69.06
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 25 1.32 9.36 0.00% 72.00
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 21 2.19 3.10 0.00% 35.24
K504-2 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術 - - - - -
K502 縦隔腫瘍、胸腺摘出術 - - - - -
2019年4月~2020年3月に呼吸器外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
呼吸器外科では、殆どの手術で胸腔鏡(内視鏡)を使用した低侵襲手術を行っており、肺がんや気胸、縦隔腫瘍に対する手術症例が上位を占めています。胸腔鏡手術は開胸手術法に比べ、疼痛や術後合併症が少なく、術後の回復も早く早期に呼吸器リハビリテーションが可能となり、術後約7~10日で退院されています。手術前はもとよりさらに手術後も、呼吸器内科、腫瘍内科、放射線科、病理診断部と連携し、肺がん治療の三本柱である、外科手術、抗がん剤治療、放射線治療を組み合わせた先進治療を行っています。 また、糖尿病や腎不全、脳梗塞、心筋梗塞などの合併症をお持ちの患者さんの受け入れも積極的に行っています。安全に治療を行うために、糖尿病内分泌科、循環器内科をはじめとした内科各科や心臓血管外科などとの連携・サポート体制を組み、患者さんひとりひとりの状況に応じた治療に取り組んでいます。
心臓血管外科・血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上のもの) 47 7.94 16.81 10.64% 70.02
K5612ロ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(腹部大動脈) 23 1.83 7.65 4.35% 78.83
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 21 1.00 3.52 0.00% 71.14
K5612イ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(胸部大動脈) 16 2.88 10.88 0.00% 68.56
K5551 弁置換術(1弁のもの) 12 9.17 15.50 16.67% 79.42
2019年4月~2020年3月に心臓血管外科・血管外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科で最も多い手術は狭心症や心筋梗塞などの虚血性疾患の患者さんに行う「冠動脈バイパス手術」となります。虚血性疾患の患者さんへの治療法として循環器内科医による心臓カテーテル治療も行なっているため、循環器内科とチームを組み、患者さんにとってより適切な治療を選択しています。また当院は糖尿病の患者さんが多い傾向から、一般的に感染症等の手術リスクが増大すると言われる糖尿病患者さんへの手術実績も多数あり、良好な結果を出すことができています。次いで多い手術は腹部・胸部大動脈瘤に対して破裂を防ぐために行う「ステントグラフト内挿術」となります。開胸(又は開腹)による外科的手術と、カテーテルによる胸部や腹部を切らない治療から患者さんの状態に応じた方法を選択し、指導医資格を持つ血管外科専門医と共にチーム医療を行っています。閉塞性動脈硬化症の患者さんに行う「血管拡張術・血栓除去術」も上位手術となっています。当科では外科的バイパス術とカテーテルを用いた血管内治療の両方を行っているため、患者さんひとりひとりに見合った適切な治療法を提供することができます。また体への負担が少ない血管内治療を安全に実施し、必要があれば外科的バイパス術へ移行することも可能です。そのほか当院では弁膜症専門外来を設置しているため、心臓弁を置き換える「弁置換術」も多くなっています。弁膜症専門外来では早期の段階から専門医が診療に当たっているため、僧帽弁閉鎖不全症の患者さんに対しては、病状によっては弁を置き換えずに自己弁を温存する「僧帽弁形成術」等も選択肢の一つとなっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 39 4.41 17.13 15.38% 76.69
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(脳内のもの) 30 2.50 48.63 80.00% 59.03
K1742 水頭症手術(シャント手術) 17 6.12 20.24 23.53% 76.35
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) 12 11.92 29.67 8.33% 57.50
K1781 脳血管内手術(1箇所) 10 2.30 36.90 80.00% 53.20
2019年4月~2020年3月に脳神経外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、交通事故や転倒・転落などによる頭部外傷、脳卒中(くも膜下出血、脳出血)、脳腫瘍(良性、悪性、転移性)、水頭症など幅広い脳疾患の治療を行っています。
当院は脳卒中センターおよびSCU(脳卒中集中治療室)を設置し、救命救急センターにおいては救急診療科と連携した治療を行っていることから、手術を含めて24時間対応できる体制をとっています。そのため、緊急性の高い脳疾患の手術が多い傾向にあります。最も多い手術は慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術であり、それに開頭による頭蓋内血腫除去術が続いています。開頭術のみでなく、カテーテルを用いた脳血管内治療など比較的体への負担が少ない手術にも脳神経内科と連携して取り組んでいます。また頭蓋内腫瘍の手術などについては、がん専門病院などとの連携を強化し、頭蓋内腫瘍摘出術などの手術や手術後の放射線治療、化学療法まで含めた治療に対応しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 106 2.30 20.48 19.81% 70.93
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 67 1.97 10.85 13.43% 63.46
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 57 2.42 20.25 47.37% 77.56
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 50 2.60 23.12 58.00% 82.80
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方椎体固定) 31 3.10 14.61 16.13% 70.52
2019年4月~2020年3月に整形外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
最も多い手術は股・膝関節の変形が原因となり歩行が難しくなった患者様に行う「人工関節置換術(肩、股、膝)」であり年間100件以上の手術を行っております。この手術はナビゲーションを用いたコンピューター支援手術(CAS: Computer Assisted Surgery)を取り入れ、変形が著しい例でも正確な手術が行えるよう安全性の高い手術に取り組んでいます。また、変形の少ない場合は最新式の人工股関節を、体への負担が少ない前方侵入筋間進入手術という方法で設置し早期回復を目指します。脊椎手術においては、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアに対し低侵襲の除圧術・固定術を行い、脊椎圧迫骨折には経皮的椎体形成術(BKP)を行い患者様への負担の少ない術式も積極的に取り入れています。
高齢の方に多い転倒等による骨折に対しては、折れてしまった骨を医療用ボルト等で固定する「骨折観血的手術」を行い、早期からリハビリテーションを開始し入院を短期間にすることで日常生活へ早期に復帰することを目指します。手の外科領域では1泊2日などの短期間の入院治療も可能です。
整形外科分野の最先端手技、人工関節素材・医療機器の進歩は目を見張るものがあります。患者さんひとりひとりにあった最善の手術治療を提供することに努めています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 78 1.55 3.47 1.28% 73.10
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 52 0.54 0.27 0.00% 54.83
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 48 1.42 4.42 4.17% 70.75
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) 38 2.79 8.55 2.63% 73.13
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 36 0.92 1.56 0.00% 59.11
2019年4月~2020年3月に泌尿器科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
尿路、男性生殖器、副腎など泌尿器全般にわたる手術を行っていますが、特にがん、尿路結石、前立腺肥大症およびそれらの疾患に起因する尿閉など排尿障害に関する手術(経尿道的尿管ステント留置術など)が件数上位を占めています。
がん治療では、膀胱がん・前立腺がんなどにおいて内視鏡下手術を行うなど低侵襲な術式も積極的に行っています。最も件数が多い膀胱がんでは、早期の場合は経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)など内視鏡によるがん切除を行います。その際に抗癌剤を注入し、再発防止を図っています。浸潤がんの場合は、腹腔鏡又は開腹により膀胱全摘術を行っています。前立腺がんは、画像検査や前立腺針生検等で進行度を確定した上でがんが転移しておらず、前立腺内に留まっている場合は根治的前立腺摘除術等を行います。
尿路結石の手術では、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)による日帰り又は1泊2日の治療、またはホルミウムレーザーを用いた経尿道的結石除去術(TUL)を行うことによって、より確実に結石を除去を行っています。
前立腺肥大症においては、内視鏡による経尿道的手術の件数が多くなっており、新たな術式である生理食塩水を用いた経尿道的手術は、より合併症が少なく安全な手術も可能となっています。その他にも、骨盤臓器脱、腹圧性尿失禁など女性特有の泌尿器疾患の手術も行っており、これらの手術においても侵襲の少ない新しい術式を積極的に取り入れています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 91 1.30 4.30 0.00% 39.45
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 57 1.35 4.33 0.00% 37.88
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 56 1.57 5.05 0.00% 48.29
K872-3 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術 52 0.96 1.02 0.00% 42.56
K873 子宮鏡下子宮筋腫摘出術 20 1.00 1.15 0.00% 40.65
2019年4月~2020年3月に産婦人科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では女性特有の疾患(子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮内膜症など)に対して診断、治療を行っています。子宮の良性腫瘍や子宮内膜症の治療件数が多いため、子宮付属器腫瘍摘出術が1番多くなっています。開腹よりも患者さまへの負担が少ない低侵襲手術治療として、内視鏡手術(腹腔鏡下手術・子宮鏡下手術)をほぼ全症例に対して行っており、上位5つの術式はいずれもそちらに該当します。
他にも、悪性腫瘍や骨盤臓器脱に対する手術も積極的に行うなど、さまざまな手術方法の中から各疾患や患者さんの年齢やライフスタイルに合わせて適切な治療を選択し実施しています。また2017年5月より分娩を再開し、産科領域の手術も増加傾向にあります。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 264 0.50 1.02 0.00% 75.84
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 20 0.20 3.90 0.00% 66.80
K281 増殖性硝子体網膜症手術 - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) - - - - -
K2681 緑内障手術(虹彩切除術) - - - - -
2019年4月~2020年3月に眼科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
眼科では、白内障に対する水晶体再建術が入院手術件数の多くを占めています。当科では、白内障、糖尿病網膜症、緑内障、加齢黄斑変性などの疾患の診療を行っていますが、手術治療では白内障のほか、糖尿病網膜症・網膜剥離などの硝子体手術、加齢黄斑変性などの抗VEGF薬硝子体注射も行っており、手術実績では外来手術・入院手術合わせて年間約650件の手術治療を行っています。その中で白内障手術が最も多く約500件、網膜硝子体手術は約40件、そのほか硝子体注射など約120件などです。糖尿病や腎臓疾患などをお持ちの患者さんにも安心して手術を受けていただけるよう、糖尿病内科などの他科と連携体制をを整えています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 43 1.60 5.49 0.00% 31.07
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 40 1.63 3.08 0.00% 54.08
K347 鼻中隔矯正術 19 1.26 3.16 0.00% 41.58
K347-3 内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型(骨、軟骨手術) 16 1.75 2.94 0.00% 35.19
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 12 0.75 30.25 0.00% 68.83
2019年4月~2020年3月に耳鼻咽喉科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では耳・鼻腔・喉頭・頭頚部を中心とした疾患に対しての手術を行っております。その中でも多い手術は、扁桃周囲腫瘍など喉の疾患の入院患者さんには口蓋扁桃手術、慢性副鼻腔炎の入院患者さんには内視鏡を使用した副鼻腔手術や鼻中隔手術が行われております。その他悪性腫瘍の手術にも力を入れており頭頚部がんに対しては、低侵襲な経口的内視鏡下手術をはじめ、化学療法や放射線治療、頚部手術を行い、さらに腫瘍内科や緩和ケア科と連携してチーム医療に努めております。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3センチメートル以上6センチメートル未満) - - - - -
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2センチメートル以上4センチメートル未満) - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6センチメートル以上12センチメートル未満) - - - - -
K013-21 全層植皮術(25平方センチメートル未満) - - - - -
2019年4月~2020年3月に皮膚科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
上位を皮膚腫瘍が占めており、悪性腫瘍や、比較的大型の良性腫瘍を、入院の上、手術を行っています。悪性腫瘍では基底細胞がん、ボーエン病、乳房外パジェット病などの手術を多く行っています。手術後の形成手術(皮弁術、植皮術など)も、形成外科に相談、依頼するほか、可能ならば当科でも行っています。良性腫瘍では脂肪腫、粉瘤、母斑、軟部腫瘍が多くなっています。また、その他にも糖尿病患者へ対する皮膚潰瘍の治療、褥瘡の管理など院内のチーム医療の側面から、他科入院患者のデブリードマンや皮膚切開術、血腫除去術などの手術も行っています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 16 0.56 1.06 0.00% 72.38
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹) - - - - -
K427 頬骨骨折観血的整復術 - - - - -
K227 眼窩骨折観血的手術(眼窩ブローアウト骨折手術を含む。) - - - - -
K0131 分層植皮術(25平方センチメートル未満) - - - - -
2019年4月~2020年3月に形成外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
最も多い手術は、毎年上位となる「眼瞼下垂症手術」となります。次いで多いのが、皮膚やその下の皮下組織・筋肉・脂肪等に発生した良性腫瘍(母斑や脂肪腫等)を切除する「軟部腫瘍摘出術」となります。顔面外傷で起きる「頬骨」「眼窩」「鼻骨」等の骨折の整復術が上位術式の3割ほどを占めています。当科では骨折等の手術の際には他診療科とも連携をとり、適切な時期に手術を行っています。また3D画像が撮影出来るコーンビームCTを手術室で取り入れ、より安全で確実な治療に取り組んでいます。そのほか外傷や手術により欠損してしまった皮膚を修復する「分層植皮術」が上位手術となっています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 43 1.00 2.56 0.00% 60.58
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 24 1.00 8.00 0.00% 57.50
K4741 乳腺腫瘍摘出術(長径5センチメートル未満) 13 1.00 1.08 0.00% 45.00
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) 11 2.18 9.55 0.00% 60.27
K4742 乳腺腫瘍摘出術(長径5センチメートル以上) - - - - -
2019年4月~2020年3月に乳腺外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科は、日本乳癌学会認定の乳がん専門施設でもあり、2名の乳腺専門医が常勤し診療に携わり、多くの手術実績があります。治療が急がれる患者さんには、可能な限り初診当日に必要な検査(マンモグラフィー、超音波、細胞診)を行い、放射線診断医、病理医と協力し、迅速に診断をします。早期がんには、可能であれば乳房部分切除術などの乳房温存の術式を選択しています。また、部分切除、全摘除を問わずセンチネルリンパ節生検を行うことで、術中にリンパ節転移の有無を把握し、転移が無い場合には腋窩郭清を省略するなど侵襲を低くし、quality of lifeを重視した治療を積極的に行っています。また、乳房を全摘除した場合には、患者さんの希望がある場合に乳がん手術と乳房再建を同時に実施する手術も形成外科と連携して行っています。
また、高齢者や糖尿病、心血管系などの合併症を持つ方に対しても、当院が総合病院である特性を生かして内科系診療科と連携し、安全に治療を受けられる体制を整えています。
救急診療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K386 気管切開術 - - - - -
K6001 大動脈バルーンパンピング法(IABP法)(1日につき)(初日) - - - - -
K6021 経皮的心肺補助法(1日につき)(初日) - - - - -
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -
K637-2 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術 - - - - -
2019年4月~2020年3月に救急診療科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
救急診療科では、心肺停止、重症敗血症や急性期動脈疾患などに対して行う呼吸循環補助のための救命手術が上位を占めています。当院では2012年に三次救急医療機関の指定を受け救命救急センター22床を開設、2017年5月の新病棟移転からは最新鋭の設備を備えた救急外来と、救命救急センターも30床に拡充され救急診療機能を一層強化し、重度外傷、心肺停止、心臓・大血管疾患や重症敗血症などの多岐にわたる疾患を、365日/24時間体制で救急診療科と専門診療科が協働して速やかな診断と専門治療に当たっています。心臓循環器疾患では、循環器内科や心臓血管外科と連携し、緊急心臓カテーテル検査や大動脈解離などの重症心血管の緊急手術にも迅速に対応しています。そのほか脳卒中をはじめとして各種専門的診断や治療が必要と判断される場合は、速やかに専門医と協働して救急外来での初期治療の時点から集中的診療を行っています。
腫瘍治療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 36 3.42 6.75 0.00% 68.14
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 33 2.12 4.82 6.06% 63.39
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 17 1.00 1.00 0.00% 71.24
K6822 胆管外瘻造設術(経皮経肝によるもの) 16 2.81 9.88 6.25% 69.44
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 16 6.81 17.63 0.00% 69.94
2019年4月~2020年3月に腫瘍治療科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では消化器がんの治療が多いことから、化学療法開始のための抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置や、悪性腫瘍の合併症などによる胸水・腹水貯留に対して行う胸水・腹水濾過濃縮再静注法、大腸がんの診断・治療のための内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が多く行われています。続いて、腫瘍による胆道閉塞に対しての胆管外瘻造設術、内視鏡的胆道ステント留置術が多くなっています。
各診療科と連携して総合的に患者さんの状態を判断したうえで、個々の患者さんに合わせて化学療法・放射線治療・緩和ケアなどの最適な治療法を提供すると同時に、治験の臨床試験への情報提供も行い最新の治療をご紹介します。患者さんの生活の質(QOL)をなるべく下げることなくがん治療を継続することを目標とし日々診療を行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 10 0.09%
異なる 56 0.49%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 28 0.24%
異なる 16 0.14%
医療の質の改善に資するため少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である播種性血管内凝固症候群(以下症候群は省略)、敗血症、その他の真菌症、手術・処置後の合併症について、入院契機病名と同一か否かを区別して症例数(患者数)と発症率を示しています。播種性血管内凝固を例に示すと、この指標の入院契機にある「同一」とは、“入院したときに播種性血管内凝固と診断(もしくは疑いと)されている患者さん”で、「異なる」とは、“入院したときには別の病気で入院したが、その後、播種性血管内凝固を発症し元々の病気の治療より播種性血管内凝固の治療に時間や医療費を多く費やした患者さん”となっています。
当院では糖尿病や慢性腎不全、高血圧症などの慢性疾患の診療に加え、がん診療や救急医療など幅広く専門性の高い診療を行っています。播種性血管内凝固や敗血症は、がんや慢性疾患に感染症が合併して発症することがあります。このため、がん手術や慢性疾患を伴う大血管手術などの大手術後には、集中治療室や救命救急センターにて慎重な全身管理を行っています。救命救急センターは術後診療のみではなく、救急搬送やかかりつけ医・近隣病院からの診療依頼も積極的に受け入れており、来院時にはすでに敗血症を発症している又は敗血症の発症リスクが高い重篤な患者さんにも高度な救命集中治療を行っています。「手術・処置等の合併症」の入院契機病名は「透析シャント狭窄・閉塞」や「透析シャント感染」が多数を占めており、そのほか「生検(診査切除術)後の出血」などがあります。当院では腎臓・透析内科と心臓血管外科専門医とが連携し、透析シャントトラブルなどに対する近医かかりつけ医や透析クリニックなど地域医療機関からの診療要請に迅速に対応できる体制となっています。
更新履歴
2020.10.01
初版公開
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    03-3451-8211(代表)

  • 初診受付時間

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