令和5年度実績

令和5年度東京都済生会中央病院病院指標 令和5年度東京都済生会中央病院病院指標

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数
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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 32 96 294 474 801 1351 1668 2619 2251 657
2023年4月~2024年3月に当院を退院した患者さん(※注1)の年齢を10歳刻みで集計しました。退院患者の年齢構成を調べると、その病院の特徴がある程度わかります。年齢構成では60代から80代が全体の6割を超えており、その中でも70代が最も多く全体の3割近くを占めています。
当院は地域医療支援病院として、近隣病院や診療所・患者さんのかかりつけ医の先生方と円滑な連携を行い、地域の基幹病院として適切な質の高い医療を提供しています。また患者支援センター地域連携室が核となり、診療連携病院のみならず、地域における高齢者医療や在宅医療を担っている診療所やクリニック、福祉介護施設など多施設多職種との調整のもと積極的に診療依頼の受け入れに対応しています。2017年5月の新主棟開設により救急救命センターを拡充し、特定集中治療室(GICU)・ハイブリッド室を新たに備えた手術室等を設置し、救命部門・手術部門の機能強化にも力を注いでいます。また、分娩・産科診療の再開、2018年10月には脳卒中ケアユニット(SCU)の開設なども行っています。そして総合的・全人的医療を目指し、各診療科の医師をはじめ、えん下対策チーム・褥瘡予防対策チーム・呼吸サポートチームなどの連携による多職種の専門的観点から、患者さんの病態に応じた幅広い医療の提供とトータルケアを行っています。退院に向けて入退院支援室が介入し、転院や自宅へ戻るための施設案内、在宅療養の紹介など退院支援も積極的に行っています。
※注1…DPC/PDPS(診断群分類に基づく1日ごとの支払方式)の対象となった患者さんを集計。自賠責や自費診療などDPC/PDPSの対象とならない期間がある患者さんは含まれていません。また、入院された時点の年齢で集計しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
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循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050050XX9910X0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置等1 1あり 手術処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 104 3.68 3.05 0.96% 70.38
050050XX0200XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術処置等1 なし、1,2あり 手術処置等2 なし 71 6.08 4.26 0.00% 70.73
050130XX9900X0 心不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 54 14.20 17.38 7.41% 81.33
050030XX97000X 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術処置等1 なし、1あり 手術処置等2 なし 副傷病なし 50 13.04 11.54 2.00% 68.00
050050XX9920X0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置等1 2あり 手術処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 42 3.86 3.25 0.00% 72.88
2023年4月~2024年3月に循環器科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院は、東京都CCUネットワークおよび急性大動脈スーパーネットワークに加盟し、急性心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や心不全、不整脈などの心臓救急に対応しています。心臓血管外科との緊密な連携の下、急性大動脈解離・大動脈瘤破裂に対する緊急受入体制も整えており、夜間・休日を含めた24時間365日、急性心筋梗塞に対する緊急カテーテル検査・治療が可能です。また、入院される患者さんの疾患としては、狭心症・心不全・心筋梗塞・不整脈が大多数です。当院の特徴として糖尿病や慢性腎不全を合併している患者さんが多く、より重症となる症例を多数診療しています。虚血性心疾患の治療には、「経皮的冠動脈インターベンション」や開胸による「冠動脈バイパス術」がありますが、各手術の特性を鑑み患者さんに最適な治療方針を決定するため、心臓血管外科と連携したチーム医療を行っています。循環器内科・心臓血管外科・麻酔科・看護部・臨床工学技士・放射線技術科・臨床検査科・リハビリ技術科など多職種の部門から構成されたハートチームが術前カンファレンスを行うなど個々の技術力、チームワークが当院の強みです。また、がん専門病院と病病連携し、循環器疾患を合併したがん患者さんや術前リスク評価などの紹介を迅速に受け入れています。がん患者さんに併存する循環器系の合併症に対して真摯に取り組み、できる限りがん治療が継続できるよう診療のサポートを行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
140010X199X0XX 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上)手術なし 手術処置等2 なし 10 4.80 6.07 20.00% 0.00
100270XXXXX0XX 間脳下垂体疾患(その他)手術処置等2 なし - - 31.16 - -
060380XXXXX0XX ウイルス性腸炎 手術処置等2 なし - - 5.64 - -
10007XXXXXX0XX 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)手術処置等2 なし - - 10.66 - -
100120XX99XXXX 肥満症 手術なし - - 14.58 - -
2023年4月~2024年3月に小児科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では2017年の新病棟稼働に伴い、当院で出生した新生児および併設の乳児院への対応が中心となり、低出産体重児へのケアなど新生児への入院対応が多くを占めています。2022年度からは慢性疾患の検査入院・教育入院を開始し、肥満症・糖尿病の教育入院では、当院の強みである糖尿病内科の教育入院プログラムも参考にし実績を上げてきております。
また、専門外来として「小児・思春期頭痛外来」「こどものおなか外来(腹痛・下痢・便秘など)」「内分泌、成長・発達外来(身長の伸びや体重の悩みなど)」も設置しており、2024年からは小児アレルギー外来と小児神経外来も開設します。
一般診療の他、予防接種や乳児健診にも力を入れています。当科は『子育て支援外来』として今まで以上に充実すべく努力し、未来を担うこどもたちの健康増進に関わりたいと思っておりますので、赤ちゃんから思春期まで成長・発達をはじめ気になることがあるときや迷ったときには何でも遠慮なくご相談ください。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160800XX01XXXX 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 79 23.85 25.50 68.35% 81.19
07040XXX01XXXX 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)人工関節再置換術等 62 20.48 19.55 6.45% 67.68
160760XX97XX0X 前腕の骨折 あり 副傷病なし 37 3.27 4.76 0.00% 63.43
160620XX01XXXX 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 29 11.62 13.04 3.45% 42.59
070200XXXXXX0X 手関節症(変形性を含む。)  副傷病なし 25 3.04 6.81 0.00% 63.00
2023年4月~2024年3月に整形外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では外傷による骨折から加齢等に伴う変性疾患まで専門分野を持つ医師が治療に当たっており、手の外科・股関節・膝関節・脊椎等整形外科疾患ほぼ全ての領域をカバーしています。2024年には新たに「手の外科・上肢外科センター」「脊椎脊髄外科センター」「関節鏡センター」「人工関節センター」の4つの専門センターが設立されました。より専門的で質の高い医療サービスを提供しつつ、各センターが連携を取り合うことで患者さん一人一人に寄り添った治療の提供を目指しています。
また、社会の高齢化とともに加齢等に伴う変性疾患に対しても積極的に手術を行う時代となっており、手術を目的とした患者さんも多く診察しています。
その他に、当院では骨粗鬆症に対し「骨粗鬆症リエゾンサービス委員会」を中心に患者さんの治療および骨折予防に取り組んでいますが、当委員会は国際骨粗鬆症財団が主催した骨粗鬆症による骨折予防のガイドラインへの評価にて銅賞を受賞しました。寝たきり予防のために活動し、地域へ貢献できるよう努力していきます。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020230XX97X0XX 眼瞼下垂 あり 手術処置等2 なし 33 2.03 2.82 0.00% 70.58
160200XX02000X 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)鼻骨骨折整復固定術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 副傷病なし 23 5.26 4.63 4.35% 48.39
070071XX97XXXX 骨髄炎(上肢以外) あり - - 33.66 - -
180060XX97XXXX その他の新生物 あり - - 5.77 - -
090010XX05XXXX 乳房の悪性腫瘍 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) - - 7.47 - -
2023年4月~2024年3月に形成外科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では生まれつきの変形や、外傷・手術後の変形などを修復し、患者さんがより良い社会生活を送れるよう機能回復と整容性を重視した外科的治療を行っています。そのため昨年に引き続き、眼瞼下垂に対する手術目的での入院症例や、顔面外傷に伴う鼻骨骨折での入院症例が多くを占めています。また、糖尿病の合併症である末梢循環障害に伴う骨髄炎での入院症例と顔面の皮膚良性腫瘍に対する手術、下肢の動脈硬化によって壊死をおこした足趾の手術入院症例が上位となっています。その他にも、乳がんの手術に伴う乳房再建術にも取り組んでおり、人工物(シリコンインプラント)を用いる再建か自家組織を用いる再建か、患者さんのもともとの乳房の形や入院期間、今後の出産予定の有無など、他科の先生方と協議した上で、ご希望に合わせた最適な再建方法を検討いたします。また傷跡である瘢痕やケロイドに対しては、保存的治療の他に、手術治療+放射線治療を行っております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160100XX97X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術処置等2 なし 副傷病なし 31 12.94 9.88 16.13% 74.55
160100XX99X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病なし 21 10.33 8.38 14.29% 66.76
010040X099000X 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)手術なし 手術処置等1なし 手術処置等2 なし 副傷病なし 10 15.20 19.09 40.00% 60.10
010040X101X1XX 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上)脳血管内手術+脳動静脈奇形摘出術等 手術処置等2 あり 10 44.00 39.64 100.00% 61.40
010200XX01X00X 水頭症 水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等 手術処置等2 なし 副傷病なし - - 18.95 - -
2023年4月~2024年3月に脳神経外科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
日本脳神経外科学会の専門医研修プログラム認定施設、日本脳卒中学会の脳卒中急性期医療機関に指定されており、常勤医4名(脳神経外科専門医3名)で日々の診療を行っております。2006年に脳卒中センターを開設し、さらに2008年にはSCUを設け緊急手術などの対応も可能となりました。救命救急センターを設置しており、緊急性が高い硬膜下血腫、くも膜下出血などの脳内出血(外傷性・非外傷性)等に対して救急診療科と協力して24時間365日治療できる体制を整えています。
このような当院の診療体制を反映して、頭蓋・頭蓋内損傷が上位となり、それに非外傷性頭蓋内血腫の手術症例が続いています。神経内視鏡を用いた手術や脳腫瘍などの脳神経の疾患に対しても積極的に治療しています。また、高齢者で外傷とは無関係に記憶力低下、歩行障害などが現れる正常圧水頭症に対してはV-P(脳室-腹腔)、L-P(腰椎-腹腔)、V-A(脳室-心房)シャント手術を行っています。ほか、脳卒中、未破裂動脈瘤、脳膿瘍などの感染症、脳動静脈奇形などの疾患の治療も幅広く行っています。
いずれの疾患でも、入院中に手足の麻痺や歩行障害、言語障害、嚥下障害など認めた場合には、出来る限り早期からリハビリを行い、良好な機能回復、早期退院を目指しています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040XX97X00X 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術処置等2 なし 副傷病なし 54 8.56 9.89 0.00% 71.09
040200XX01X00X 気胸 肺切除術等 手術処置等2 なし 副傷病なし 23 6.57 9.54 0.00% 42.48
040200XX99X00X 気胸 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病なし 15 5.40 9.17 0.00% 47.07
040040XX99200X 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 2あり 手術処置等2 なし 副傷病なし 10 2.00 2.98 0.00% 72.00
040150XX97X00X 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 あり 手術処置等2 なし 副傷病なし - - 28.24 - -
2023年4月~2024年3月に呼吸器外科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率および平均年齢を示しています。
①肺がんや転移性肺腫瘍などの腫瘍、②気胸、③胸腺腫などの縦隔腫瘍、④膿胸などの疾患が入院症例の上位を占めています。なかでも肺がん手術に力を入れております。当科の最大の特色は、小さい傷1ヶ所のみで手術を行う究極の縮小手術である“単孔式”胸腔鏡手術を行っていることです。もう導入して2年以上たちました。肺がんですと3.5cm、気胸だと1.5cmの傷1ヶ所のみで手術が終了します。切除した肺を体の外に取り出すにはこれより小さい傷では無理なので、この大きさが極限の小さい傷ということになります。傷が小さいので痛みも少なく、肺がんですと術後3~4日、気胸だと1~2日で退院可能です。従来の胸腔鏡手術と比べると遙かに回復が早く、皆さんに喜んでいただいております。この手術を導入している施設はまだ多くありません。いつでもお気軽にご相談下さい。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050050XX0101XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。)単独のもの等 手術処置等1 なし 手術処置等2 1あり 10 24.50 21.38 0.00% 70.20
050050XX0111XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。)単独のもの等 手術処置等1 1,2あり 手術処置等2 1あり 10 29.40 26.67 0.00% 75.90
050161XX97X1XX 大動脈解離 その他の手術あり 手術処置等2 1あり - - 28.09 - -
050080XX0101XX 弁膜症(連合弁膜症を含む。)ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術処置等1 なし 手術処置等2 1あり - - 21.53 - -
050163XX01X1XX 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術処置等2 1あり - - 27.58 - -
2023年4月~2024年3月に心臓血管外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する手術目的での入院症例が上位を占めています。次いで、胸部・腹部の大動脈瘤や大動脈解離に対して手術を行う症例や、心臓弁膜症に対する手術目的での入院症例が上位となっております。
当科では、2017年より高度な血管治療が行えるハイブリット手術室を導入し、胸部および腹部ステントグラフト指導医資格を併せ持つ血管外科専門医師とともに、心臓血管外科専門医、指導医が協力してチーム治療を行っています。その他、2018年より「経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)」を開始するなど、外科的開胸手術だけでなく体への負担の少ないカテーテル治療も行っており、多岐にわたる治療方法に対応可能な体制を整えています。狭心症や心筋梗塞などの治療には心臓血管外科・血管外科・循環器内科で連携し、患者さんひとりひとりの病状に応じた最適な治療をより安全に行うことに務めています。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050170XX03001X 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術処置等1 なし、1あり 手術処置等2 なし 副傷病あり 35 4.71 9.00 0.00% 76.11
050170XX03000X 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術処置等1 なし、1あり 手術処置等2 なし 副傷病なし 33 3.82 5.21 0.00% 74.45
110280XX02X00X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術処置等2 なし 副傷病なし 28 9.07 7.57 3.57% 71.43
050163XX03X0XX 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術処置等2 なし 27 7.93 10.42 0.00% 76.52
110280XX03X0XX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術処置等2 なし 13 3.69 4.51 15.38% 72.69
2023年4月~2024年3月に血管外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科は胸腹部大動脈、内臓動脈、四肢の末梢動脈、静脈疾患、透析用内シャントなどの全身の血管疾患に対し、外科的手術である人工血管置換術やバイパス手術、ステントグラフト内挿術や四肢のカテーテル治療まで幅広く対応しています。そのため、閉塞性動脈硬化症による血管の狭窄・閉塞などが原因で起こる重症虚血肢に対する血管拡張・血栓除去術目的や、大動脈瘤に対するステントグラフト治療目的での入院症例が上位を占めています。また、当院は糖尿病の患者さんも多い傾向から、慢性腎不全の患者さんに対する末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)目的の入院症例も多くなっています。透析に必要な血液の通り道である内シャントは、造設後も適切なタイミングで拡張(シャントPTA)しないと長持ちしないため、当科では将来的にシャントPTAを行いやすい形で設置しています。またシャントPTAが必要な際には、外来にて日帰りでも行える体制も取っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120060XX02XXXX 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 130 5.54 5.93 0.00% 44.50
120220XX01XXXX 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 96 2.02 2.78 0.00% 42.36
120070XX02XXXX 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。)腹腔鏡によるもの等 46 5.91 6.00 0.00% 45.26
120100XX01XXXX 子宮内膜症 子宮全摘術等 24 6.63 7.03 0.00% 35.00
120140XXXXXXXX 流産 17 2.76 2.43 0.00% 35.29
2023年4月~2024年3月に産婦人科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では女性特有疾患である子宮や卵巣の良性腫瘍やポリープ、子宮内膜症で手術を行う患者さんが多くなっています。
婦人科領域では、女性のライフステージに基づいて個々の患者さんにあった治療法を、できるだけ患者さんの意向に沿うかたちで選択することを心がけており、常に根本的に病気を治すこと(根治性)と、子宮や卵巣など女性機能を司る臓器を残すこと(機能温存)のバランスを考えながら手術法を選択しています。
その他にも、妊娠前の健康管理として、からだの機能や月経周期等、妊娠に向けた健康を皆様と考えるためのプレコンセプションケア外来(完全予約制)を2023年5月より開設いたししました。
産科領域では適切な分娩時期や分娩方法、分娩後の対応ができる体制を構築しています。その他に、セミオープンシステム(妊娠後期からの妊婦健診)やオンデマンド形式の無痛分娩、産後ケアショートステイや母乳外来の導入、および助産師による個別相談や両親学級を開催しており、妊産婦さんや赤ちゃんがより健やかな生活を送られるようお手伝い致します。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020110XX97XXX0 白内障、水晶体の疾患 あり 片眼 85 2.22 2.54 0.00% 78.44
020110XX97XXX1 白内障、水晶体の疾患 あり 両眼 54 3.19 4.46 0.00% 79.00
020200XX9710XX 黄斑、後極変性 あり 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし 15 3.93 5.67 0.00% 72.47
020180XX97X0X0 糖尿病性増殖性網膜症 あり 手術処置等2 なし 片眼 10 5.00 6.10 0.00% 58.80
020200XX99X1XX 黄斑、後極変性 手術なし 手術処置等2 あり - - 2.09 - -
2023年4月~2024年3月に眼科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では白内障に対する「水晶体再建術」が入院手術件数の多くを占めています。次いで糖尿病性網膜症や硝子体の混濁、出血などに対する「硝子体茎顕微鏡下離断術」、「増殖性硝子体網膜症手術」となっております。当科の手術治療は白内障や糖尿病性網膜症以外にも、黄斑上膜、網膜剥離などに対する硝子体手術や、加齢黄斑変性症や糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対する抗VEGF薬の硝子体注射も施行しております。
手術は日帰り手術(外来手術)も行っており、入外合わせて年間約800件の手術治療を行っております。最も多い白内障手術はその内約533件となっており、糖尿病や腎臓疾患・心臓疾患などをお持ちの患者さんにも安心して手術を受けていただけるよう他診療科専門医としっかりと連携し、安全な手術に取り組んでいます。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
030230XXXXXXXX 扁桃、アデノイドの慢性疾患 44 6.82 7.53 0.00% 34.02
030350XXXXXXXX 慢性副鼻腔炎 42 4.86 6.02 0.00% 54.05
030270XXXXXXXX 上気道炎 30 4.90 4.72 0.00% 45.60
100020XX010XXX 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術処置等1 なし 22 5.77 7.94 0.00% 59.14
030428XXXXXXXX 突発性難聴 17 7.00 8.55 0.00% 68.29
2023年4月~2024年3月に耳鼻咽喉科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では扁桃疾患に対して 内視鏡下による「口蓋扁桃手術(摘出)」が行われています。副鼻腔炎の患者さんに対する「内視鏡下の鼻中隔手術・下鼻甲介手術・後鼻神経切断術」を行っております。慢性副鼻腔炎の患者数も多く、「内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS)」が行われています。また、頭頸部がんに対して低侵襲な経口的内視鏡下手術をはじめ化学療法や放射線治療、頸部手術を行い、腫瘍内科や緩和ケア科と連携したチーム医療を行っています。甲状腺腫瘍に対して内視鏡補助下甲状腺手術(VANS法)や、内視鏡咽喉頭腫瘍手術(ELPS)などの低侵襲手術にも力をいれております。当院耳鼻咽喉科領域として頭部および頸部で脳と脊髄、眼球を除く領域を担当し、特に感覚器に関わる、聴覚、嗅覚、味覚、バランス感覚、食物を噛んで飲み込む咀嚼・嚥下機能、音声・言語機能が診療範囲となります。各疾患に応じて専属の看護師、言語聴覚士、臨床検査技師と連携し頭頚部外科疾患全般においても医療を提供できるよう心がけています。難聴等の聴力障害に対して、精密検査から診断・治療・リハビリテーションまで一貫したフォローを行っています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010230XX99X00X てんかん 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病なし 62 6.45 7.19 8.06% 51.24
010060X2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 56 15.13 15.70 25.00% 69.59
010061XXXXX0XX 一過性脳虚血発作 手術処置等2 なし 37 5.22 6.25 5.41% 66.76
010040X099000X 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 副傷病なし 35 15.89 19.09 42.86% 63.03
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 29 12.52 15.57 6.90% 71.76
2023年4月~2024年3月に脳神経内科で入院した患者さんの原因の疾患で、DPC14桁分類での上位5疾患について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
原因疾患のなかで、一過性脳虚血発作は脳梗塞と同じ脳血管が詰まる病気ですが、症状が短期間で改善消失するものです。また非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)はいわゆる脳出血を指します。従って、脳神経内科の入院患者さんの原因疾患は、脳梗塞・一過性脳虚血発作・脳出血等の脳卒中が総数としては多く、そして次にてんかんが多いことがわかります。
当院は東京都心部の脳卒中診療基幹病院として2006年より脳卒中センターを開設、2018年に脳卒中専門の集中治療室(SCU:Stroke Care Unit)を設け、日本脳卒中学会認定の一次脳卒中センターコア施設として24時間365日脳卒中の対応が可能な体制をとっており、脳卒中患者さんの入院が多くを占めています。また3次救急病院である当院では、突然の痙攣や意識障害を呈するてんかん患者さんも多く入院されています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
080010XXXX0XXX 膿皮症 手術処置等1 なし 13 13.69 12.88 7.69% 69.23
080007XX010XXX 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術処置等1 なし - - 3.93 - -
080020XXXXXXXX 帯状疱疹 - - 9.29 - -
080100XXXX0X0X 薬疹、中毒疹 手術処置等1 なし 副傷病なし - - 10.61 - -
050180xx99xx0x 静脈・リンパ管疾患 手術なし 定義副傷病なし - - 14.29 - -
2023年4月~2024年3月に皮膚科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では全身の皮膚や頭の毛髪から手足の爪の先まで、湿疹、感染症、皮膚がんに至るまで幅広く診療を行っています。
入院治療においては、膿皮症や蜂窩織炎、帯状疱疹等の感染症の患者さんが多くなっています。皮膚腫瘍については悪性・良性ともに手術療法を行っており、脂肪腫などの良性腫瘍、有棘細胞癌・皮膚線維肉腫などの悪性腫瘍の患者さんも入院治療を行っています。
また当院は多くの診療科でがんの化学療法を実施していますので、副作用である薬疹などの皮膚トラブルが発生した際にはその治療にもあたっています。糖尿病の患者さんにおいては、足のケア(潰瘍・フットケア・陥入爪など)について診療し、患者さんごとに最適な対処法を考えるなど、院内のチーム医療の一端を担っています。
その他に、脱毛症などの入院治療も行っており、脱毛症外来や爪外来、肝斑外来なども開設しております。当科では、思い切って受診してみてよかったと、少しでもご満足いただける診療を心がけております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110080XX991XXX 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 あり 103 2.04 2.44 0.00% 69.11
110070XX03X0XX 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術処置等2 なし 81 5.69 6.85 0.00% 74.33
11012XXX02XX0X 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 副傷病なし 57 3.42 5.22 0.00% 61.88
11012XXX03XXXX 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 47 1.62 2.43 0.00% 62.85
110420XX02XXXX 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 36 3.19 4.02 0.00% 65.78
2023年4月~2024年3月に泌尿器科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科は、尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、男性生殖器(前立腺、精巣、陰茎)、副腎(ホルモンを出す臓器)に関わる疾患の診療を行っています。
入院患者数においては前立腺がん、膀胱がんなどがん治療の件数が上位であることが特徴です。前立腺がんの治療においては、確定診断に有効な前立腺針生検を1泊2日の入院で行うことが可能であり、その病理診断結果やMRI等の画像診断所見などをもとに手術、ホルモン剤治療、放射線治療(IMRT)など症例ごとに最適な治療方法を選択しています。また2022年からHinotoriを導入しロボット支援下前立腺全摘術を開始、2023年からはロボット支援腎悪性腫瘍手術を開始しました。
膀胱がんに対しては早期の場合、「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)」など内視鏡を用いた低侵襲な手術を行う一方、浸潤がんでは「膀胱全摘術」を行うなど進行度に応じて手術を選択します。尿路結石の治療においては、主に「体外衝撃波腎・尿管結石破砕術」による治療とともに、必要であればホルミウムレーザーを用いた「経尿道的結石除去術」を行っており、より高度な尿路結石手術に対応できるようになっています。
尿管狭窄を伴う水腎症や前立腺肥大症の治療においても、経尿道的手術を多く行っています。また、女性に多い腹圧性尿失禁などは女性泌尿器科外来を開設しており、これらの疾患においても従来の手術に比べてより侵襲の少ない手術を取り入れた手術治療を行っています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040110XXXXX0XX 間質性肺炎 手術処置等2 なし 57 16.56 18.65 8.77% 75.25
040040XX99040X 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 副傷病なし 44 6.52 8.33 2.27% 68.52
040081XX99X0XX 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2 なし 34 21.59 20.60 23.53% 83.74
0400801499X002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病なし A-DROP スコア2 30 17.63 15.44 13.33% 83.93
040040XX99200X 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 2あり 手術処置等2 なし 副傷病なし 27 2.74 2.98 3.70% 73.37
2023年4月~2024年3月に呼吸器内科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
呼吸器内科では入院症例の上位多数は肺がんが占めており、その他は間質性・誤嚥性などの肺炎が上位となっています。肺がんなどの悪性疾患、喘息を含むアレルギー性疾患、肺炎などの呼吸器感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性疾患など、多岐に及ぶ疾患の治療を行っています。肺がんに関しては、手術療法、化学療法、放射線療法が治療の三本柱であり、「肺癌センター」にて、呼吸器内科・呼吸器外科・放射線治療科その他多職種が連携して一丸となって治療にあたっています。間質性肺炎や肺炎に関しては、軽症例から人工呼吸器が必要な重症例まで治療を行っており、集中治療科の協力の下、ECMOを用いた治療も行えます。抗線維化薬投与による間質性肺炎の進行予防や、誤嚥性肺炎の再発予防指導もしております。あらゆる疾患の治療において、薬物療法だけでなく酸素療法・人工呼吸療法・理学療法・食事療法・退院調整や支援など、患者さんお一人お一人に合わせた最適な医療の提供を心がけています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110280XX9900XX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 44 9.48 11.49 9.09% 65.80
110280XX9902XX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 2あり 29 8.07 8.09 0.00% 63.24
110280XX991XXX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置等1 あり 28 6.07 6.44 0.00% 58.07
110290XX99X0XX 急性腎不全 手術なし 手術処置等2 なし 27 11.33 14.36 3.70% 75.78
100393XX99XXXX その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 26 11.58 10.25 15.38% 74.77
2023年4月~2024年3月に腎臓内科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
入院症例では、慢性腎不全として糖尿病性腎臓病やIgA腎症、糸球体腎炎などの疾患が上位を占めています。腎機能障害の適切な治療には正確な組織診断が重要なため、当科では積極的に腎生検を行っています。また、糖尿病による腎機能障害(糖尿病性腎臓病)に対しては、早期から生活指導と栄養指導、薬剤指導を行なっており、専門看護師や管理栄養士、薬剤師と共にチーム医療による糖尿病性腎症重症化予防に取り組んでいます。
残念ながら慢性腎不全が進行し末期腎不全に至った患者さんには、血液透析や腹膜透析、腎移植などの適切な腎代替療法選択のサポートも行っています。透析療法の選択は腎不全の患者さんにとって非常に大きな決断であり、ストレスを伴います。そのため当科では透析専任ナースによる透析療法選択外来を行っており、患者さんそれぞれの生活背景や価値観に寄り添った透析療法の選択をサポートしています。
当科では院内・院外の専門科と連携し、患者さんの病状とライフスタイルに合わせた腎臓病治療のための最善の医療提供を目指しています。
救急診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
180010X0XXX3XX 敗血症(1歳以上) 手術処置等2 3あり 19 18.11 37.35 26.32% 71.00
160100XX99X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病なし 13 10.15 8.38 23.08% 63.38
161070XXXXX00X 薬物中毒(その他の中毒) 手術処置等2 なし 副傷病なし 12 3.42 3.62 8.33% 37.50
180010X0XXX2XX 敗血症(1歳以上) 手術処置等2 2あり 12 20.92 31.28 33.33% 83.67
010230XX99X11X てんかん 手術なし 手術処置等2 1あり 副傷病あり - - 23.39 - -
2023年4月~2024年3月に救急診療科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
救急診療科では、過量服用による急性薬物中毒、人工透析を必要とする重篤な敗血症、頭蓋損傷の疾患が上位を占めています。当院では急増する救急需要に応えるため、2012年12月より救命救急センター22床を開設、2017年5月の新病棟移転時には最新鋭の設備を備えた救急外来の拡充と共に30床に増床され、救急診療機能を一層強化し初期治療から入院加療に至るまで、継続した集中治療を365日24時間体制で行っています。2020年10月からは、東京消防庁との連携により、当院の救急科医師と病院救急救命士が病院救急車で救急現場に急行するドクターカー医療を開始しました。救命救急センターでの診療は重度外傷、心肺停止、心臓・大血管疾患や重症敗血症などの多岐にわたりますが、救急診療科と専門診療科だけでなく、放射線技師や臨床検査技師、臨床工学技士、薬剤師も常時協働して速やかな診断と治療に当たっています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
130030XX97X50X 非ホジキンリンパ腫 あり 手術処置等2 5あり 副傷病なし 54 26.72 29.83 1.85% 76.04
130030XX99X5XX 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術処置等2 5あり 54 21.09 19.61 14.81% 73.02
130040XX99X5XX 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術処置等2 5あり 36 20.28 16.12 13.89% 72.97
130060XX97X40X 骨髄異形成症候群 あり 手術処置等2 4あり 副傷病なし 33 11.15 18.03 0.00% 78.06
130010XX97X9XX 急性白血病 あり 手術処置等2 9あり 27 28.37 34.93 0.00% 77.30
2023年4月~2024年3月に血液内科・感染症内科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では悪性リンパ腫、多発性骨髄腫が入院症例数上位を占めており、なかでも悪性リンパ腫の患者数は年々増加傾向にあります。化学療法や支持療法を目的とした入院症例が多くなっていますが、適応される患者さんには「自家骨髄移植」「自家末梢血幹細胞移植」や「同種骨髄移植」「同種末梢血幹細胞移植」「臍帯血移植」などの造血幹細胞移植術を積極的に行っており、2023年には18例の移植を行っています。当院は、2018年に骨髄移植推進財団より非血縁者間骨髄採取施設として認定され、同財団を介した(骨髄バンク)移植を導入しました。2021年には造血免疫細胞療法センターを設立し、移植前の患者さんから移植後長期フォローアップの方まで幅広く対応しています。
複数の余病や合併症などをお持ちの患者さんにも、各診療科専門医とも連携し、チーム一丸で専門的治療に臨んでいます。また、常に医療の質向上と、診断技術・見識の向上を目指し、疾患の診断、治療および予防の方法を改善する可能性のある臨床研究にも力を注いでいます。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060340XX03X00X 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術処置等2 なし 副傷病なし 129 9.12 8.75 3.88% 74.38
060100XX01XXXX 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 113 3.35 2.61 0.88% 74.47
060102XX02XXXX 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 小腸結腸内視鏡的止血術等 63 7.56 9.32 0.00% 69.81
060102XX99XXXX 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 56 5.05 7.58 0.00% 65.39
060210XX99000X ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 副傷病なし 47 6.36 8.95 2.13% 73.34
2023年4月~2024年3月に消化器内科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では総胆管結石、胆管炎の症例が多く、これらは重症化すると数時間で致命的となる可能性があるため、症状がある場合はもちろん無症状の場合でも、原則治療の対象としています。次いで、小腸・大腸の良性腫瘍やポリープの症例が多く、これらに対しては患者さんの体への負担が少ない内視鏡手術を行っています。
東京都内では夜間の消化管・胆道系内視鏡治療に即対応できる医療施設が少ないため、救命センターと協力し、都内各所から毎日24時間緊急内視鏡を受け入れております。また、内視鏡治療可能な早期胃がんに対しては消化器内科と外科で協力し、全身麻酔あるいは静脈麻酔での「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」を行っています。消化器外科、放射線科の各専門医と絶えず密接な連携をとり、常に患者さんの方を向いた診療を心がけ、最善の医療を提供することに努めています。
一般・消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060160X001XXXX 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 74 4.78 4.55 0.00% 71.65
060335XX02000X 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 副傷病なし 60 6.20 6.87 0.00% 62.30
060150XX03XXXX 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 54 5.20 5.29 0.00% 40.43
060035XX010X0X 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術処置等1 なし 副傷病なし 35 17.26 15.12 2.86% 70.74
060330XX02XXXX 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 33 5.85 5.98 0.00% 55.97
2023年4月~2024年3月に一般・消化器外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、消化器領域(胃・食道・十二指腸・小腸・大腸・肝臓・胆道・膵臓)の良性および悪性疾患やヘルニア・虫垂炎・胆嚢炎などの一般消化器科外科の領域で行われるあらゆる診療に対応しています。当院は東京都認定がん診療病院に指定されており、放射線科・消化器内科・腫瘍内科との連携を密にし内視鏡検査や化学療法、放射線療法まで含めた集学的治療を行っています。また、外部の医療機関と提携関係を結び、情報交換を通じ必要に応じて共同治療を行っています。
症例数としては鼠径ヘルニア、虫垂炎、胆嚢疾患などが多く、これらに対する手術として、患者さんの体への負担が少ない腹腔鏡手術が多く施行されています。救急センターと協力し24時間体制で救急患者さんを受け入れ、緊急手術に対応することで、地域貢献に努めています。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
10007XXXXXX1XX 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)手術処置等2 1あり 120 11.68 13.99 2.50% 67.03
10007XXXXXX0XX 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)手術処置等2 なし 57 10.47 10.66 0.00% 68.51
100040XXXXX00X 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術処置等2 なし 副傷病なし 27 10.04 13.15 3.70% 56.15
040081XX99X0XX 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2 なし 19 15.21 20.60 15.79% 88.11
10006XXXXXX1XX 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)手術処置等2 1あり 16 11.44 13.31 6.25% 72.06
2023年4月~2024年3月に糖尿病・内分泌内科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
糖尿病内科では、1型、2型問わず糖尿病と診断された方や糖尿病になるリスクの高い方の治療、足病変を含む合併症の治療・管理を行っています。患者さんそれぞれに合った食事・運動による生活改善指導や薬物療法など2型糖尿病をはじめとする血糖コントロール目的の入院が多くを占めています。また、1型糖尿病の治療にも精通しており、1型糖尿病治療に必要な知識や技術についても提供しています。
当院は1961年に我が国で初めて糖尿病教育入院をスタートさせました。患者さん一人一人が継続できる適切な治療を進めるとともに、糖尿病の治療に必要な知識の修得に力を入れ「患者さん自身に主治医になっていただくこと」を目標に、体験的治療や家族を含めた指導を積極的に行っています。
糖尿病は腎・眼・神経などの合併症が伴うため、各診療科や糖尿病指導看護師、管理栄養士、薬剤師等が連携し治療を行っています。また、専門病院では難しい糖尿病合併のがん患者さんの手術を可能にするため、外科系診療科と連携し術前血糖コントロール等も行っています。
内分泌内科としては、甲状腺疾患、副甲状腺疾患、視床下部・下垂体疾患、副腎疾患、一部の性腺疾患、肥満症の診断・治療を行います。診断結果によって他科へ紹介し、最善の治療法を提供します。
腫瘍治療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060050XX97X0XX 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)その他の手術あり 手術処置等2 なし 18 11.72 10.24 5.56% 76.00
06007XXX9906XX 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 6あり 17 4.88 5.15 0.00% 63.76
060010XX99X40X 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。)手術なし 手術処置等2 4あり 副傷病なし 15 7.20 8.67 0.00% 64.33
06007XXX97X0XX 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術処置等2 なし 15 14.87 11.65 6.67% 71.00
06007XXX9905XX 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 5あり 11 13.55 7.32 0.00% 76.91
2023年4月~2024年3月に腫瘍治療科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科ではがんの診断から治療にいたるまで関わっており、消化器がん、切除不能頭頚部がん、乳がんや泌尿器系・婦人系悪性腫瘍、原発不明がん、希少がんなど、多岐にわたる悪性腫瘍を診療しています。その中で、各部門と協力しながら患者さんの全身状態を総合的に判断し、最新のエビデンスに基づいた標準的化学療法を選択しています。入院症例は、肝臓がん、膵臓がん、食道がんなど消化器がんの患者さんが多くなっています。
当院では2019年3月よりがんゲノム医療外来・がん遺伝カウンセリング外来を新設、がんゲノム医療や遺伝性腫瘍にも対応しています。またiCPiユニットを設立し、免疫関連の有害事象の収集を行い詳細に副作用の実態を把握、対処のレベルを上げることでより安全な治療に取り組んでいます。その他、多施設共同の臨床試験への参加、セカンドオピニオン外来の開設も行っています。その上で、患者さんやご家族に薬物療法の情報を正しく伝え、がん患者さん個々の価値観に合わせて、その人らしい生活を続けられるように支援することを第一に治療に取り組んでいます。
総合診療・感染症内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
100330XXXXX00X 栄養障害(その他) 手術処置等2 なし 副傷病なし 15 51.93 17.70 40.00% 64.07
050130XX9900X0 心不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 - - 17.38 - -
100330XXXXX01X 栄養障害(その他)手術処置等2 なし 副傷病あり - - 32.40 - -
10007XXXXXX1XX 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術処置等2 1あり - - 13.99 - -
01021XXXXX0XXX 認知症 手術・処置等1なし - - 16.84 - -
2023年4月~2024年3月に総合診療科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
総合診療・感染症内科は特定の臓器・疾患に限定せず患者さんの全身の状態を診察し、内科全般について幅広く診療しています。
当科の特徴として、多くの疾患・問題点を抱えた患者さんの総合的な診療を行っていることや、生活困窮者支援事業に関する専用病棟を担当していることが挙げられます。当院を運営する済生会は明治天皇の「生活に困り、医療・福祉を受けられない人々にも救いの手を差しのべるように」とういうお言葉から創設され、創立以来の「済生の精神」のもと生活困窮者に対する診療を行っています。
また、感染症や骨折、認知症や高血圧など複数の疾患を有することが多い高齢者診療の患者さんが多いことも特徴で、当院では「認知症疾患医療センター」を設置し、専門医が認知症の治療にも注力しています。その他にも、所属する医師それぞれの得意分野に関連した感染症の診療や漢方診療も行っています。
現在、当科は入院診療を休止し外来診療のみを行っておりますが、診断により専門科での治療が必要となった場合には、各科専門医と連携し患者さんの問題を解決します。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
090010XX010XXX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術処置等1 なし 40 10.00 9.88 2.50% 61.95
090010XX02XXXX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 37 6.35 5.64 0.00% 59.32
070041XX97X00X 軟部の悪性腫瘍(脊髄を除く。)その他の手術あり 手術処置等2 なし 副傷病なし - - 9.09 - -
090020XX97XXXX 乳房の良性腫瘍 あり - - 4.00 - -
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし - - 6.59 - -
2023年4月~2024年3月に乳腺外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科の診療の中心は乳がんを診断し、治療することです。当院は、乳がん専門施設の認定を受け、乳腺専門医が精度の高い診断・手術治療に努めています。患者さんの病期や背景などによって治療法は異なるため、手術のみでなく放射線治療や腫瘍内科と連携した化学療法などを含めた適切な治療や術後のフォローまでしっかりとさせていただきます。早期乳がんの場合、可能であれば乳房部分切除術など乳房温存の術式を選択し、センチネルリンパ節生検(RI法と色素併用法)を行い、腋窩リンパ節郭清の省略をして患者さんの負担の軽減を図るなど、生活の質を重視した治療を積極的に行っています。温存手術では、整容性に配慮し満足度の高い乳房温存手術を目指しています。また、乳房全摘除を行った場合も患者さんの希望により形成外科と連携し乳房再建術を行っています。
がん診療に関連する多くの科の医師と看護部門、診断治療に携わる技師、薬剤部が一体となり真摯な心で安全かつ最良のチーム医療を患者さんに実施しております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃がん 45 6 9 21 8 21 1 8
大腸がん 17 14 20 30 53 23 1 8
乳がん 49 19 3 7 3 8 1 8
肺がん 48 13 57 50 14 58 1 8
肝がん 8 10 16 3 8 13 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
日本で現在最も罹患数の多い5つのがん(胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん・肝がん)の病期(ステージ)ごとの症例数を集計しました。病期分類はがんがどれくらい進行しているかを分類するもので、Stage0からStageⅣまであり、StageⅣが最も進行していることになります。なお、再発がんは症例数のみを別に集計しています。がんの症例数をみることで、その病院がどの程度がん治療やケアに積極的に取り組んでいるのかを知ることができます。また、病期分類をみることでその病院がどれくらい幅の広い診療を行っているかを知ることができます。
当院は2015年4月より東京都がん診療拠点病院の指定を受けており、専門性・機動力・総合力を兼ね備えたチーム医療が当院のがん医療の特徴です。がん専門病院では治療が難しいとされる、糖尿病や心疾患などの合併症をお持ちの患者さんにも安心して最良の治療を受けていただけるよう、院内の各専門科、地域の医療機関とも密接に連携して、切れ目のない全人的ながん診療に努めています。
各診療科・腫瘍内科・放射線治療科・緩和ケア科などの多部門・多職種が連携し、がんの進行度・予後規定因子・併存疾患・全身状態などから個々の患者さんの状態を総合的に判断した上で、手術療法・放射線治療・薬物治療などから最新のエビデンスに基づいた最適な治療法を選択します。当院では2014年4月にがん薬物療法を専門的に扱う腫瘍内科を開設し、抗悪性腫瘍薬はもとより新規抗がん剤・分子標的薬・PD-1抗体など使用薬の選択肢を広げることにより、緩和ケアの取り組みにも力を注いでいます。患者さんやご家族に、薬物療法のベネフィットとリスク、適応と限界に関する情報を正しく伝え、個々の価値観を尊重しできるだけ生活の質を落とさずに治療を続けることをモットーに日々診療を行っています。他にも、がんに関するご相談をお受けするがん看護外来やがん相談窓口の設置など、治療からケアまで積極的に取り組んでいます。
当院での5大がんの症例数では平成29年度実績から引き続き肺がんが最も多く、定期健診の普及などにより早期発見が可能になってきており、病期StageⅠが多くなっています。肺がんの検査・治療においては、検査精度の充実を図り超音波内視鏡(EBUS-TBNA)の最新機器を導入し、診断・治療計画の検討を呼吸器外科をはじめ各部門が連携して行っています。手術が適応となる場合は患者さんの体への負担や安全を考慮し、胸腔鏡を基本とした低侵襲な胸腔鏡下肺切除術を積極的に行っています。また手術が適応にならない場合には、抗がん剤や放射線による治療を患者さんそれぞれの状況に応じて行っています。次いで多い大腸がん・胃がんの治療では、早期大腸がんや早期胃がんに対しては内視鏡的粘膜剥離術(ESD)を積極的に行っています。進行がんに対しては消化器外科をはじめ各部門が連携し、拡大手術(肝転移、肺転移に対する切除術)や、抗がん剤治療を組み合わせた治療を行っています。胃がん・乳がんに関しては肺がんと同様、定期健診の普及や検査機器の進歩もあり早期発見・早期治療が可能となってきているため、病期はStageⅠが多くなっています。乳がんの治療では、早期乳がんの場合は乳房温存療法のほかセンチネルリンパ節生検、腋窩リンパ節郭清の省略など生活の質(QOL)を重視した治療を積極的に行っています。肝がんに対する手術では腹腔鏡の割合が多くなっており、大部分の肝切除にも腹腔鏡下肝切除術などを行える施設基準を得ています。その場合は、難しい術式のため認定医が対応をしています。また、治療後も再発することが多い疾患であり、ラジオ波やTAE(経カテーテル肝動脈塞栓術)などを行いながら経過を追っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
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重症度 患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 24 7.08 54.00
中等症 85 13.31 79.84
重症 30 20.70 84.63
超重症 15 25.27 80.20
不明 0 0.00 0.00
肺炎は肺実質におこる感染性炎症で、市中肺炎と院内肺炎があります。そのうち成人におきた市中肺炎を重症度別に集計しました。市中肺炎とは、一般的な社会生活を送っている中で発症した肺炎です。通常はインフルエンザ等のウイルスによるものも含みますが、本指標では除外します。また、新型コロナウイルスによる肺炎は含みません。重症度分類はA-DROP法にて分類しており、0が軽症、1~2が中等症、3が重症、4~5が超重症となります。本指標で、どのくらい重い症状の肺炎患者さんを診療しているかを知ることができます。
重症度別患者数では、引き続き中等症が最も多くなっています。平均年齢をみると軽症は50代であるのに対し、中等症から超重症では80代前半から半ばとなっており、高齢になるにつれ重症化する傾向があります。また、年齢に比して平均在院日数が伸びており、高齢になるにつれ回復までの治療期間が要する傾向にあります。 慢性呼吸器疾患等の合併症を有した肺炎の場合、適切な抗生剤投与や酸素投与、人工呼吸器の装着などの支持療法管理が重要となります。また、誤嚥や長期臥床に伴う体力低下予防のためのリハビリテーション科と連携した呼吸器リハビリテーションの早期介入、呼吸能力及び身体能力向上にも取り組んでいます。
脳梗塞の患者数等
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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 204 23.04 74.77 34.31%
その他 17 13.47 74.24 41.18%
2023年4月~2024年3月に当院を退院した患者さんのうち医療資源を最も投入した傷病名が脳梗塞の患者さんを対象として、その発症から入院までの日数を「3日以内」と「その他」に分け、それぞれの患者数・平均在院日数・平均年齢・転院率を示しています。患者数は発症3日以内の急性期脳梗塞が多く、脳梗塞の患者数の8割を超えています。平均年齢は3日以内とその他ともに70代以上となっています。転院率は3日以内で4割、その他で3割となっています。
当院は、2006年の脳卒中センター開設にて24時間365日体制での救急患者受け入れが可能となり、2009年3月には東京都脳卒中急性期医療機関の認定を受けました。急性期脳梗塞の診断・治療を担う病院としてさらに治療体制の強化を図るべく、2018年10月には脳卒中専門病床となる脳卒中ケアユニット(SCU)を設置、2019年10月には当院が24時間365日脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかにt-PAによる血栓溶解療法を含む診療を開始できることより一次総卒中センター(PSC)の認定を受けました。脳梗塞は早期治療が重要となるため、SCUでは脳神経内科・脳神経外科・脳血管内治療科・救命救急センターの各科専門医が連携し、CTやMRIなどによる迅速な検査・診断のもと治療方針の検討を行い、最適な治療を行っています。急性期治療では、点滴によるtPA療法(超急性期血栓溶解療法)、カテーテルによる血管内治療や開頭手術などを行っています。また急性期治療と並行し、体力低下予防・早期機能回復を目的としたリハビリテーションの早期介入を行っています。さらに地域医療連携室とも連携し、回復期リハビリテーション病院などへの転院サポートも脳卒中地域連携パスを用いて積極的に行っており、このような連携が転院率の増加にも示されます。急性期高度専門治療から退院後の支援まで、多部門が一丸となり継ぎ目のない脳卒中医療を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
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循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 81 3.04 5.09 2.47% 69.48
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 47 7.64 9.23 6.38% 76.87
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 27 4.78 7.67 0.00% 79.89
K555-22 経カテーテル弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 26 11.31 16.31 19.23% 86.69
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 26 1.23 2.19 0.00% 63.54
2023年4月~2024年3月に循環器科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では急性心筋梗塞に対する緊急経皮的冠動脈インターベンションは、24時間365日対応可能な体制を整えています。手術件数では、急性心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患に対する「経皮的冠動脈ステント留置術/形成術(PCI)」が大多数を占めています。急性心筋梗塞は冠動脈に急激な狭窄や閉塞がおきて心臓の筋肉に血液が送られなくなり心筋が壊死する病気で、治療のガイドラインでは、病院到着より冠動脈の再開通までの時間が90分以下とされています。このため一刻も早く検査治療が始められるかが重要となるので、救急外来やカテーテル治療室で連携を図り、看護師、検査技師なども含めたチーム医療で迅速な対応・治療を行っています。90歳代でもカテーテル治療を受ける時代になり、高齢で体力の低下した患者さんや複数の併存疾患を有する患者さんでも、カテーテル治療であれば体の負担が少なく行える利点があります。当院では血管外科医と循環器内科医が協働して下肢の動脈など末梢血管疾患への血管内治療「四肢の血管拡張術・血栓除去術(EVT)」も数多く行っており、糖尿病内科、腎臓内科、形成外科、皮膚科との連携によりフットケアのチーム医療も行っています。また、2018年より重症大動脈弁に対して経カテーテル的大度脈弁置換術を実施しています。術前に多職種からなるハートチームでカンファレンスを行い、適応や治療計画について皆で十分に検討し治療に当たっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 95 1.75 17.55 11.58% 69.54
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 53 2.83 17.92 50.94% 77.06
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 36 1.89 4.92 5.56% 59.92
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 28 2.71 17.71 82.14% 84.61
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方又は後側方固定) 25 10.68 24.32 56.00% 76.04
2023年4月~2024年3月に整形外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
手術手技の進歩はもとより、麻酔・痛みへの対策・早期からのリハビリの導入等により、術後に著しく体力が低下することも少なく早期の回復が見込めるため、手術の年齢制限は基本的にありません。当科では早期退院・社会復帰を目指し、患者さんの体への負担が少ない最小侵襲手術を行っています。
最も多い手術は「人工関節置換術(肩、股、膝)」になります。人工股関節手術での変形が少ない例では、前方侵入法という負担の少ない方法で人工股関節を設置しています。また、人工関節を正確に設置するためコンピューター・ナビゲーション手術を取り入れ、手術部位を立体的な影像で確認することにより、変形が著しい例でも正確な手術が行えるよう取り組んでいます。手術以外にも、患者さんの病態やニーズに応じて、薬物療法等の保存療法も行っています。
骨折に対する折れてしまった骨を医療用金属ボルト等で固定する「骨折観血的手術」、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアに対する「脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術」等も多い手術となっていますが、いずれも早期からリハビリテーションを開始し、入院を短期間にすることで入院前と変わらない日常生活が送れることを目指しています。
当科では患者さんひとりひとりにあった最新の手術治療を提供することに努めています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 29 0.00 1.00 0.00% 71.10
K427 頬骨骨折観血的整復術 12 1.67 5.75 8.33% 54.83
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K016 動脈(皮)弁術、筋(皮)弁術 - - - - -
K0871 断端形成術(骨形成を要するもの)(指(手、足)) - - - - -
2023年4月~2024年3月に形成外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
最も多い手術症例は、例年通り「眼瞼下垂症手術」となります。糖尿病の合併症である末梢循環障害に伴う足先の難治性潰瘍に対する「断端形成術」や、顔面外傷による頬骨骨折に対する「頬骨骨折観血的整復術」が上位となっています。外傷や術後の皮膚欠損部位に自身の皮膚を移植する「動脈/筋(皮)弁術」や、瘢痕拘縮を解除する「瘢痕拘縮形成手術」も増加しております。糖尿病内分泌科のほか皮膚科や循環器内科、血管外科など多くの診療科、専門医と連携して治療を行っております。顔面外傷による骨折の治療は、救急科や脳神経外科、眼科、口腔外科の先生方と協力しながら、適切な時期に最適な治療を行うように努めています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 32 0.94 12.19 15.63% 78.28
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術 13 3.00 41.23 100.00% 66.77
K1781 脳血管内手術(1箇所) 12 0.58 42.75 50.00% 59.58
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 11 1.36 31.27 45.45% 59.18
K1742 水頭症手術(シャント手術) 10 4.90 21.50 20.00% 69.70
2023年4月~2024年3月に脳神経外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、交通事故や転倒・転落などによる頭部外傷、脳卒中(くも膜下出血、脳出血)、脳腫瘍(良性、悪性、転移性)、水頭症など幅広い脳疾患の治療を行っています。くも膜下出血は原因である脳動脈瘤の再破裂を防ぐために緊急で手術を行う必要があり、開頭クリッピングや脳血管内手術(コイル塞栓)を行っています。脳梗塞は発症4.5時間以内の急性期治療としてt-PAを用いた血栓溶解療法を脳卒中専門医による当直体制のもと実施しています。
当院は脳卒中センターおよびSCU(脳卒中集中治療室)を設置し、救命救急センターにおいては救急診療科と連携した治療を行っていることから、手術を含めて24時間対応できる体制をとっています。そのため、緊急性の高い脳疾患の手術が多い傾向にあり、手術を含めた急性期治療から術後のリハビリまで行っています。また頭蓋内腫瘍の手術などについては、がん専門病院などとの連携を強化し「頭蓋内腫瘍摘出術」などの手術や手術後の放射線治療、化学療法まで含めた治療に対応しています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 26 1.69 5.00 0.00% 73.04
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 24 2.00 3.33 4.17% 42.21
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 22 2.32 8.73 4.55% 70.45
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) - - - - -
K496-4 胸腔鏡下膿胸腔掻爬術 - - - - -
2023年4月~2024年3月に呼吸器外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科の最大の特色は、小さい傷1ヶ所のみで手術を行う究極の縮小手術である“単孔式”胸腔鏡手術を行っていることです。もう導入して2年以上たちました。肺がんですと3.5cm、気胸だと1.5cmの傷1ヶ所のみで手術が終了します。切除した肺を体の外に取り出すにはこれより小さい傷では無理なので、この大きさが極限の小さい傷ということになります。傷が小さいので痛みも少なく、肺がんですと術後3~4日、気胸だと1~2日で退院可能です。従来の胸腔鏡手術と比べると遙かに回復が早く、皆さんに喜んでいただいております。 この手術を導入している施設はまだ多くありません。いつでもお気軽にご相談下さい。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上のもの) 29 8.66 25.59 6.90% 70.90
K5551 弁置換術(1弁のもの) - - - - -
K560-22ニ オープン型ステントグラフト内挿術(上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術)(その他のもの) - - - - -
K5603ニ 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)(上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術)(その他のもの) - - - - -
K5541 弁形成術(1弁のもの) - - - - -
2023年4月~2024年3月に心臓血管外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
最も多い手術は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の患者さんに行う「冠動脈、大動脈バイパス移植術」となります。当科において一番多く行われている手術となり、過去の手術件数は1200件を越えています。当院は糖尿病を合併した患者さんが多い傾向から、一般的に感染症などの手術リスクが増大すると言われる糖尿病患者さんへの冠動脈手術に対しても豊富な経験をもっており、良好な結果を出すことができています。また「弁膜症専門外来」を設置し、最新鋭の心臓超音波検査機器を用いて弁膜症の正確な診断と病期判定を行うなど、心臓弁膜症治療にも力を注いでいます。そのため僧帽弁閉鎖不全症や大動脈弁狭窄症に対して行われる「弁置換術」も多く行われています。一般的に技術的に困難とされる僧帽弁前尖逸脱症の弁形成術の手術でも、人工弁を用いず自己組織である腱索を移植する方法や、人工腱索を用いる方法など多彩な手技を用いて手術を行っており、良好な成績を出すことができています。
その他にも、症例に応じて6~7cmほどの皮膚切開で手術可能な「小切開弁膜症手術」もおこなっています。冠動脈バイパス手術・心臓弁膜症手術はどちらの手術も循環器内科医による心臓カテーテル治療も行なっているため、循環器内科とチームを組み(ハートチーム)、十分な議論の上で患者さんにとってより適切な治療をより安全に行っています。
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 84 1.54 5.63 3.57% 74.43
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの) 25 0.96 3.92 0.00% 69.80
K5612イ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(胸部大動脈) 17 2.59 8.12 5.88% 73.82
K5612ロ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(腹部大動脈) 13 3.15 4.31 0.00% 75.62
K6093 動脈血栓内膜摘出術(その他のもの) 13 2 15.38 7.69% 76.08
2023年4月~2024年3月に血管外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。(血管外科で入院し行った手術患者数のみ集計、他科入院中に行った手術は集計対象外となっております。)
最も多い手術は「四肢の血管拡張術・血栓除去術」です。閉塞性動脈硬化症の患者さんに行うカテーテルを用いた血管内治療ですが、こちらは患者さんの状態によっては適応することが出来ない手術のため、病変部の性状をしっかりと把握したうえで外科的バイパス手術か血管内治療か、治療のプランを立てることが必要です。当科では、外科的バイパス手術と血管内治療の両方を行っており、低侵襲な血管内治療を実施し、必要があれば外科的バイパス手術へ移行することも可能なため、各々の患者さんに見合った適切な治療法を提供することができます。
「末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)」「血管移植術、バイパス移植術」では、血液透析の際に必要な内シャントを作成するだけでなく、長持ちさせるための追加治療(血管拡張術:シャントPTA)の実施や、トラブル時の対応まで、腎臓内科と密接に連携をとりながら治療・手術をしています。
腹部・胸部大動脈瘤に対して破裂を防ぐために行う「ステントグラフト内挿術」では、2017年にハイブリッド手術室を導入し、より高度な治療が行える体制を整え、開腹(又は開胸)による外科的手術とカテーテルを用いた大動脈ステントグラフト治療の両方が可能となりました。
当科では、患者さんひとりひとりに合わせ最適な治療を選択し、指導医資格を持つ血管外科専門医とともににチーム医療を行っています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K872-31 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術(電解質溶液利用のもの) 103 0.17 0.86 0.00% 42.75
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 76 1.24 4.30 0.00% 49.04
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 67 1.13 3.94 0.00% 41.43
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 37 1.24 4.38 0.00% 38.7
K8731 子宮鏡下子宮筋腫摘出術(電解質溶液利用のもの) 29 0.93 1.00 0.00% 43.14
2023年4月~2024年3月に産婦人科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮や卵巣のポリープなどの治療件数が多く、子宮筋腫摘出術や子宮付属器腫瘍摘出、子宮全摘術が上位となっています。手術法においては、患者さんの負担も少なく整容性に優れている内視鏡手術(腹腔鏡・経腟的腹腔鏡や子宮鏡を用いた手術)に力を入れており、上位5つの術式はいずれもそちらに該当します。内視鏡手術は開腹手術と比べて痛みも少なく、入院日数や療養期間もより短縮される治療法となっています。 その他に、骨盤臓器脱への低侵襲な手術治療や、関連診療科と連携した悪性腫瘍に対する手術治療も行っており、当科は女性のライフスタイルをより充実させるために、寄り添った医療を提供しています。
また、2017年5月より分娩受け入れを開始し、産科領域の手術や無痛分娩も増加傾向にあります。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 136 0.57 1.01 0.00% 78.60
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 31 0.58 2.03 0.00% 71.03
K281 増殖性硝子体網膜症手術 - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) - - - - -
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない場合) - - - - -
2023年4月~2024年3月に眼科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では昨年に引き続き、白内障の手術を目的とした入院症例が多数を占めています。白内障手術は基本日帰り手術(外来手術)で行っておりますが、遠方にお住まいの方や身体に不自由のある方、全身疾患のため入院が妥当と思われる方は入院での手術を行っております。その他には糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症、硝子体疾患(出血・混濁など)に対する治療・手術も行っており、患者さんの視覚の質の向上による生活の質の向上を目指しています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 44 1.00 4.82 0.00% 34.02
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 28 1.00 2.96 0.00% 55.82
K347-5 内視鏡下鼻腔手術I型(下鼻甲介手術) 25 1.00 2.84 0.00% 44.80
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみの場合) 12 1.00 3.75 0.00% 60.25
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術IV型(汎副鼻腔手術) 11 1.00 2.82 0.00% 47.73
2023年4月~2024年3月に耳鼻咽喉科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では耳・鼻腔・喉頭・頭頚部を中心とした疾患に対しての手術を行っており、通常の定型的な手術法に加え、積極的に内視鏡手術を導入し、低侵襲手術で術後早期に回復するよう術式を選択しております。中でも多い手術は鼻炎の患者さんに対し内視鏡を使用して行う「鼻中隔手術・鼻腔手術」や、慢性副鼻腔炎の患者さんに対して行う「副鼻腔手術」です。喉の疾患の入院患者さんには「口蓋扁桃手術(摘出)」が多く行われております。また、悪性腫瘍の治療にも力を入れており、低侵襲な経口的内視鏡下手術(ELPS)をはじめ化学療法や放射線治療を、腫瘍内科や緩和ケア科と連携しチーム医療を行っています。また、近年導入した甲状腺腫瘍に対して内視鏡下補助下甲状腺手術(VANS法)の低侵襲手術にも力をいれております。
脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K178-4 経皮的脳血栓回収術 20 0.25 28.85 60.00% 77.50
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 13 7.85 8.23 23.08% 70.54
K386 気管切開術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) - - - - -
K178-2 経皮的脳血管形成術 - - - - -
2023年4月~2024年3月に脳神経内科で入院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科での手術は、カテーテルを血管内へ挿入して行う脳血管内手術が中心となります。脳梗塞に対する「経皮的脳血栓回収術」は、発症24時間以内の脳梗塞を対象に、カテーテルを用いて詰まった血栓を回収する手術です。脳梗塞発症・再発予防として動脈硬化で細くなった頸動脈をカテーテルで広げる「頸動脈ステント留置術」は比較的体への負担が少なく、高齢の患者さんや様々な合併症をもつ患者さんにも安全に行うことが可能です。その他、重症脳卒中で気道狭窄による呼吸不全を呈した場合に行う「気管切開術」、脳卒中の合併症としての消化管出血に対する「内視鏡的消化管止血術」、脳卒中等で口からの食物摂取が困難となった患者さんに対して行う「胃瘻造設術」などを脳卒中入院患者さんに関して行っています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2センチメートル以上4センチメートル未満) - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6センチメートル以上12センチメートル未満) - - - - -
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K0132 分層植皮術(25平方センチメートル以上100平方センチメートル未満) - - - - -
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4センチメートル以上) - - - - -
2023年4月~2024年3月に皮膚科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では皮膚腫瘍について悪性・良性を問わず手術を行っており、悪性黒色腫以外の基底細胞がん・隆起性皮膚線維肉腫・乳房外パジェット病・ボーエン病・日光角化症等の悪性のもの、脂肪腫・粉瘤などでリスクが高く日帰り手術の適応でない良性のもの等において手術治療を行っています。当科では積極的に皮膚生検を行い、正確な診断の上、患者さんに最適な治療方針をともに考え、ご提案していきたいと考えています。
当科は入院患者さんの褥瘡管理や糖尿病患者さんへ対するフットケアなど、院内全体のチーム医療の一端を担っており、その治療に伴う植皮術(分層)、あるいは熱傷潰瘍に伴う植皮術も上位にあがっています。各部署のスタッフと連携を図りながら、褥瘡の治療だけではなく、褥瘡予防および早期に改善するような入院環境の提供に努めています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 85 0.92 2.93 3.53% 71.49
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 83 1.05 3.80 0.00% 74.25
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 58 2.31 2.40 1.72% 62.36
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 49 0.16 0.49 0.00% 62.86
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 23 1.96 9.87 0.00% 69.57
2023年4月~2024年3月に泌尿器科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では尿路・男性生殖器・副腎など泌尿器全般にわたる手術を行っていますが、特にがん・尿路結石・前立腺肥大症およびそれらの疾患に起因する尿閉など排尿障害に関する手術(「経尿道的尿管ステント留置術」など)が上位になっています。
がん治療では内視鏡下手術など低侵襲な術式を積極的に行っています。最も件数が多い膀胱がんは、早期の場合「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)」など内視鏡によるがん切除を行います。その際に抗がん剤を注入し再発防止を図っています。浸潤がんの場合は、開腹により「膀胱全摘術」を行っています。
経尿道的尿管ステント留置術・除去術を行い術後の尿管の負担を減らしたり、排尿ケアに努めています。
尿路結石の手術では「体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)」、ホルミウムレーザーを用いた「経尿道的結石除去術(TUL)」を行うことで、結石除去を行っています。
前立腺肥大症においては内視鏡による経尿道的手術の件数が多くなっており、経尿道的前立腺吊り上げ術、水蒸気治療、レーザー治療など、より出血量が少なく安全な手術も一部の症例では可能です。2022年からHinotoriを導入しロボット支援下前立腺全摘術を開始、2023年からはロボット支援腎悪性腫瘍手術を開始しました。
その他腹圧性尿失禁など女性特有の泌尿器疾患の手術も行っており、これらにおいても侵襲の少ない新しい術式を積極的に取り入れています。
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K386 気管切開術 - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) - - - - -
K1742 水頭症手術(シャント手術) - - - - -
2023年4月~2024年3月に呼吸器内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、呼吸不全の増悪に対し人工呼吸管理を行うための「気管切開術」が最も多くなっています。また、治療中に発症した消化管疾患などの治療には、当該診療科と連携し迅速かつ患者さんの状態に合わせた治療を行っております。肺がん治療では「肺がんセンター」を開設しており、呼吸器外科や放射線治療科、病理診断科他多職種との密な連携のもと抗がん剤治療や放射線治療、手術治療などに当たっています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性疾患、肺がんなどの悪性疾患、喘息を含むアレルギー性疾患、肺炎などの呼吸器感染症のみならず、急性肺損傷など呼吸器に関する集中治療を要する救急疾患も扱っております。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの) 18 10.50 18.44 16.67% 68.50
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 10 7.00 2.80 0.00% 65.40
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) - - - - -
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) - - - - -
2023年4月~2024年3月に腎臓内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院は透析導入病院としての機能を有しているため、血液透析や腹膜透析を行うための手術が多数を占めており「末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)」が最も多い手術となっています。シャント設置術とは、血液透析を行うための脱血・返血を容易にする血液の通り道を作成することです。その他にも、設置したシャントが細くなってしまったり血栓で詰まってしまった際に行う「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」や、腹膜透析を始める患者さんに対する「腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術」が上位となっています。
当科では透析導入に対して患者さんの生活背景・価値観に寄り添った選択をし、導入後も血管外科専門医と連携をとりながら、より確実な手術治療に取り組んでいます。
救急診療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K533-2 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 - - - - -
2023年4月~2024年3月に救急診療科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
救急診療科では、呼吸補助のための救命手術である「気管切開術」、吐血や下血のある患者さんに対して行われる「内視鏡的消化管止血術」などが上位を占めています。当院は2012年に三次救急医療機関の指定を受け、重度外傷、心肺停止、心臓・大血管疾患や重症敗血症などの重篤な救急患者さんを救うため、外科系専門医師、カテーテル治療医師、麻酔科医師などと連携して、24時間365日体制で緊急手術・処置など行います。また、冠動脈形成術などの高度医療や、急性大動脈解離などの重症心血管疾患の緊急手術、脳卒中、緊急内視鏡治療をはじめとして各種専門的診断や治療が必要と判断される場合は、速やかに専門医と協働して救急外来での初期治療の時点から集中的診療を行っています。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K9212ロ 造血幹細胞採取(一連につき)(末梢血幹細胞採取)(自家移植の場合) 11 11.45 2.73 0.00% 57.18
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) - - - - -
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 - - - - -
K6262 リンパ節摘出術(長径3センチメートル以上) - - - - -
K637-2 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術 - - - - -
2023年4月~2024年3月に血液内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群の入院症例が多く、患者さんの状況に合った化学療法や支持療法などを行っています。適応される患者さんには移植を積極的に行っていますので、「造血幹細胞移植」や移植のための「造血幹細胞採取」が上位を占めています。また、疾患のフォローアップ中の検査結果などから、血液疾患以外に対しても各診療科の協力を得て検査、手術実施の対応をしているため、「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」が多くなっています。血液腫瘍は長期かつ濃厚なケアを必要とする疾患のため、当科ではオールラウンドに柔軟に血液疾患に対応できる診療体制をとっており、患者さん本位の適切な治療行っています。また2021年に造血免疫細胞療法センターを設立し、移植前の患者さんから移植後長期フォローアップの方まで幅広く対応しています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 120 1.58 1.46 1.67% 74.03
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 103 4.50 7.88 5.83% 74.48
K654 内視鏡的消化管止血術 80 2.04 5.73 7.50% 69.60
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 67 1.61 4.66 0.00% 69.82
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 54 1.00 4.30 0.00% 70.22
2023年4月~2024年3月に消化器内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科で最も多い手術は、「内視鏡的大腸ポリープ切除術」です。ポリープの大きさや合併症の有無など、患者さんの状態に応じて外来または短期入院で治療しています。次いで総胆管結石による胆管炎に対する「内視鏡的胆道ステント留置術」も多く実施されており、早期治療を行うことで重症化を防いでいます。「内視鏡的消化管止血術」は、上部消化管出血や下部消化管出血に対し24時間体制で施行しています。
その他早期の胃がん・大腸がんの切除を内視鏡下にて行っていますが、3cm以上の大きな早期胃がん・早期大腸がんに対して行う内視鏡的粘膜剥離術(ESD)を積極的に行っており、実施件数も増加しています。
当科で扱う疾患は多岐にわたるため、他科と連携をとり、患者さんの状態に合わせた診療に努めています。また、診断と治療方針決定のためのカンファレンスを活発に行うことで、最善の治療を目指しています。
一般・消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 95 1.01 4.24 0.00% 60.45
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 51 0.49 3.71 0.00% 40.75
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 40 1.08 2.18 0.00% 67.10
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 33 1.64 2.42 0.00% 77.30
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 33 6.18 12.42 6.06% 72.52
2023年4月~2024年3月に一般・消化器外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では胆のう炎・虫垂炎・腹膜炎・腸閉鎖など腹部の救急疾患に対して24時間体制で手術を行っています。手術件数は、症例として多い胆嚢疾患や虫垂炎に対する「胆嚢摘出術」「虫垂切除術」が上位を占めています。いずれも腹腔鏡などを用いた体に負担が少ない手術を心がけています。「鼠径ヘルニア手術」も従来の前方切開による修復術の他に、腹腔鏡下での手術も増えています。
また当科では、胃がん・大腸がん(結腸がん・直腸がん)・食道がん・肝臓がん・胆嚢胆管がん・膵臓がんなどあらゆる消化器がんに対する手術治療を大きな一つの柱としており、病状に合わせて腹腔鏡下の低侵襲手術から血管合併切除まで実施しています。糖尿病や心疾患などを合併している患者さんに対しても院内での連携を活かして手術を受けていただけるよう配慮し、高度な医療を提供できるように努めています。
糖尿病・内分泌内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 16 4.19 4.50 6.25% 68.13
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) - - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) - - - - -
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) - - - - -
2023年4月~2024年3月に糖尿病・内分泌内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では糖尿病患者に対しての原疾患の治療と共に、検査結果などから悪性腫瘍の疑いがある場合には他科と連携し内視鏡検査等の精査も併せて行っています。そのため「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」の件数が多くなっています。また、糖尿病の重大な合併症でもある循環不全による足潰瘍に対して、他科の協力を得て「血管拡張術・血栓除去術」を施行しています。糖尿病による足病変は、糖尿病神経障害による感覚低下や網膜症による視力障害から傷の発見が遅れることや、血流障害などにより傷が治りづらいことが大きな要因とされています。糖尿病足潰瘍は一度発症すると治癒するのが困難であり、高い確率で再発するといわれています。当院ではフットケア外来を設置しており、専任医師・看護師・装具士が一丸となって潰瘍を発生させないために早期発見・予防を行っています。また糖尿病以外にも疾患がある患者さんには、院内複数の診療科が横断的に連携し、最良で安心な治療を提供しています。
腫瘍治療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 15 7.20 12.47 13.33% 63.47
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 13 4.31 5.69 0.00% 66.62
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) - - - - -
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 - - - - -
2023年4月~2024年3月に腫瘍治療科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、悪性腫瘍に対する化学療法開始のための「抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用埋込型カテーテル設置」が多くなっています。また、消化器がんの治療が多いことから、腫瘍による閉塞性黄疸に対しての「内視鏡的胆道ステント留置術」、がんに伴う腹水(胸水)に対する「胸水・腹水濾過濃縮再静注法」、大腸がんの診断・治療のための「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」も多く行われています。
当科では化学療法中に特に細やかな管理を要する持病のある方や高齢者の方へも、総合病院としての機動力を軸に病院全体でチーム医療を展開し、全身管理を行いながら化学療法を提供しています。また、抗悪性腫瘍薬のみならず、制吐薬、抗菌薬、G-CSF製剤、ステロイドなども治療に使用しています。その他にも、腫瘍による閉塞や代謝障害などによる早急の対応が必要な病態の治療、化学療法の副作用や免疫関連有害事象対策、緩和ケアの取り組みにも力を注いでいます。
総合診療・感染症内内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 12 17.83 35.00 33.33% 73.50
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 - - - - -
K2762 網膜光凝固術(その他特殊なもの(一連につき)) - - - - -
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方又は後側方固定) - - - - -
2023年4月~2024年3月に総合診療科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では一つの症状や臓器にとらわれることなく、総合的な視点から患者さんの持つ問題点を整理・抽出し、総合的に問題の解決を目指します。そのため、幅広い手術治療を行っています。
当科は内科系疾患全般が対象であり、かかりつけ医と連携して診療する開放病床での入院や、生活困窮者への診療なども行っています。そのような特性から、診断結果を元に専門科と連携を取りながら行う「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」、かかりつけ医からの紹介の元緊急で行う「内視鏡的消化管止血術」などの内視鏡下手術が多くなっています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 37 1.00 4.35 0.00% 59.32
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 32 1.00 8.06 3.13% 61.94
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) - - - - -
K6274 リンパ節群郭清術(腋窩) - - - - -
K4742 乳腺腫瘍摘出術(長径5センチメートル以上) - - - - -
2023年4月~2024年3月に乳腺外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院は日本乳癌学会認定の乳がん専門施設でもあり、乳腺専門医が常勤し診療に携わり、多くの手術実績があります。治療が急がれる患者さんには可能な限り初診当日に必要な検査(マンモグラフィー・超音波・細胞診)を行い、放射線診断医や病理医と協力し迅速に診断をします。早期がんには可能であれば「乳房部分切除術」などの乳房温存の術式を選択しています。また、部分切除・全摘除を問わずセンチネルリンパ節生検を行うことで術中にリンパ節転移の有無を把握、転移が無い場合には腋窩郭清を省略するなど侵襲を低くし、生活の質(QOL)を重視した治療を積極的に行っています。乳房を全摘除した場合には、患者さんの希望がある場合に乳がん手術と乳房再建を同時に実施する手術を形成外科と連携して行っています。高齢者や、糖尿病・心血管系などの合併症を持つ患者さんに対しても、当院が総合病院である特性を生かして内科系診療科と連携し、安全に治療を受けられる体制を整えています。患者様の不安をなるべく早く解消すべく、乳がんと診断された後は1か月以内の手術を心がけています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発症率)
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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発症率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 2 0.02%
異なる 13 0.13%
180010 敗血症 同一 41 0.40%
異なる 102 1.00%
180035 その他の真菌症 同一 3 0.03%
異なる 6 0.06%
180040 手術・処置等の合併症 同一 15 0.15%
異なる 6 0.06%
医療の質の改善に資するため少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である播種性血管内凝固症候群(以下症候群は省略)、敗血症、その他の真菌症、手術・処置後の合併症について、入院契機病名と同一か否かを区別して症例数(患者数)と発症率を示しています。播種性血管内凝固を例に示すと、この指標の入院契機にある「同一」とは、”入院したときに播種性血管内凝固と診断(もしくは疑いと)されている患者さん”で、「異なる」とは、”入院したときには別の病気で入院したが、その後、播種性血管内凝固を発症し元々の病気の治療より播種性血管内凝固の治療に時間や医療費を多く費やした患者さん”となっています。
当院では糖尿病や慢性腎不全、高血圧症などの慢性疾患の診療に加え、がん診療や救急医療など幅広く専門性の高い診療を行っています。播種性血管内凝固や敗血症は、がんや慢性疾患に感染症が合併して発症することがあります。がん手術・大血管手術等を要する場合には術後、集中治療室や救命救急センターにて慎重な全身管理を行っています。救命救急センターでは、救急搬送やかかりつけ医・近隣病院からの診療依頼も積極的に受け入れており、来院時にはすでに敗血症を発症している又は敗血症の発症リスクが高い重篤な患者さんにも高度な救命集中治療を行っています。「手術・処置等の合併症」のについては、「同一」が多くなっていますが、これは、「透析シャント狭窄・閉塞」や「透析シャント感染」「生検後出血」などが該当します。当院の腎臓・透析内科では、透析シャント不全などの合併症をきたした患者さんの地域医療機関からの診療要請に迅速に対応できる体制となっています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」
以上の手術を施行した退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した
患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
1338 1253 93.65%
2023年4月~2024年3月に当院を退院した患者さんのうち、手術のリスク分類を行い、中リスク以上の手術の前後で予防対策が行われている割合を測定しました。
肺血栓塞栓症とは、下肢や腹部でできた血の塊(血栓)が肺の血管に詰まることで、呼吸困難や胸痛を引き起こす疾患です。大きな手術後やベッド上安静を長くしている場合に発症しやすいと言われています。
その予防対策として、弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧装置の利用、抗凝固剤の投与等、患者さんの疾患や状態に合わせて適切な予防対策が必要になります。これらの予防対策を行うことで肺血栓塞栓症の発生率を低下させることに繋がっています。
患者さんの疾患によって抗凝固剤が使用できなかったり、下肢の急性炎症や動脈血行障害、うっ血性心不全等がある患者さんに対しては弾性ストッキングの着用が困難な場合があります。そういった場合でもリハビリテーションの介入で、早期離床・早期歩行を推進したり、ベッド上で下肢の挙上や関節運動を行うことで下肢の静脈血うっ滞を減少させる予防対策を実施しています。
血液培養2セット実施率
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血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
4716 4587 97.26%
2023年4月~2024年3月に当院を退院した患者さんのうち、血液培養2セットの実施率を測定しました。
病原体は血流中にばらついて存在することがあり、血液培養検査1セットの検査では原因菌を特定すること(検出感度)が困難な状況です。血液を2カ所以上から採取し血液培養検査を2セット施行することで検出感度の向上と疑陽性の判別を行い、適切な感染症治療を行うことができます。
小児患者等一部例外もあるため、必ずしも100%の実施率にはなりませんが、非常に高い割合で2セット実施を行っており、適切な感染症治療に取り組んでいます。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
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広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1278 1161 90.85%
血液は通常無菌状態に保たれていますが、感染が起こった場所から血液内へ病原体が進入すると、病原体が全身に広がり、菌血症や敗血症という重篤な感染症となります。それを防ぐためには、感染症に罹患したら、速やかに病原体を特定し治療に効果的な抗菌薬を選択する必要があります。血液内の病原体の有無を調べることを「血液培養検査」といいます。血液培養検査を実施せずに、むやみに広域抗菌薬を使用すると耐性菌の蔓延や細菌の耐性化を助長する可能性があります。
そのため当院では、抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team: AST)を組織し、抗菌薬適正使用を推進する取り組みを行っています。
具体的には週2回の院内回診とカンファレンスで、患者さんの病態や検査結果を踏まえた総合的な判断により、抗菌薬の選択・用法用量・中止・変更を検討しています。検討結果は速やかに主治医へ報告され、適切で効果的な治療を行っています。
更新履歴
2024.09.30
初版公開
  • 電話番号

    03-3451-8211(代表)

  • 初診受付時間

    8:00-11:30

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